石井一久が引退表明 吉本興業の契約社員に=誇れる記録は「いろんな友達をつくれた事」

ベースボール・タイムズ

引退後は、吉本興業に契約社員で入社

200勝まで残り18勝も、“勲章”へのこだわりはなし。第二の人生へ向けての一歩を踏み出す 【写真は共同】

――今後の道は?

 今はいろんな意味で変化の速い野球界だと思う。少しゆっくりしてからまた野球を見始めても分からなくなるので、しっかりネット裏から野球を見て、自分が何かあったときに役立てるようにしたい。それは50パーセントくらいです。後の50パーセントくらいは(現在マネージメントを依頼している)吉本興業に高校卒業採用というのがあるので、それに入ることにしました。契約社員で入るので、入社式も出て、野球だけじゃなく一般教養もしっかり学びたい。社会人のスタートなので。他の一般の方から18年くらい遅れているので、しっかり学んでいきたいです。

――第二の人生のプランは?

 解説をしつつ、自分のキャリアを上げたい。解説と、吉本で契約社員をやったり、ただ、あまりふざけたことをしていても野球の解説者として説得力もなくなるし……よく分からないですね(笑)

――やり残したことは?

 特にないです。やり残したことは取り返せるわけではありません。ウジウジ考えるより、忘れちゃった方がいい。

――発表をこのタイミングでした理由は?

 最初は9月の頭に言おうと思ったけど、チームが微妙なところだったので。これ以上待ったら10月で、本当に迷惑のかかる状況になると思ったので、多少迷惑のかかるところくらいで言おうと思いました。

――吉本で働くことは前から考えていました?

 はい。野球選手はけっこう甘やかされるので、叱ってくれる人がいた方がいいし、会社の仕組みを知りたいし、言葉遣いもしっかりしたいし。学んで悪いことはないじゃないですか。入社式にも出てみたい。

――入社式はいつ?

 4月1日にあります。

――どういった仕事をする?

 僕的には広報部に入りたいんですけど、入れてもらえるか分からないので。スポーツ推薦で入るので。

――吉本サイドの反応は?

 スポーツ推薦だったらいいんじゃないかなと聞いています。

今後へ「しっかりした土台、器を持っておきたい」

――明日は何をしたい?

 明日ですか。特にないですね。iPhoneの電波の調子が悪いので、電話会社に行こうと思います。

――将来的に指導者としてユニホームを着たい気持ちは?

 ないですけど、とにかく何があってもいいように。野球だけで生きていきたくないので。何があってもいいように、野球を外から見たり、会社に入ったり、いろんな可能性を持ちたいので。お話があったときには、しっかりそれに応えられるような土台、器を持っておきたいです。その辺がこれから大事になってくると思うし、ちゃんとした生活をしていきたいと思います。

――ファンにメッセージを。

 こんなにムラっ気のあるピッチャーだったんですけど、マウンドに上がれば勝利に貢献できるように頑張ってきたつもりです。チームを応援してくれる人は心配させましたけど、心配させてすいませんでした。そしてありがとうございました。

<了>
■石井一久プロフィール
1973年9月9日生まれ。千葉出身。東京学館浦安高卒。1991年のドラフト1位で現在の東京ヤクルトに入団。4年目には13勝を挙げるなど中心選手として活躍。5度のリーグ優勝、4度の日本一を経験した。2002年には米大リーグに渡り、ロサンゼルス・ドジャース、メッツに所属した4年間で39勝。06年に日本球界に復帰し、ヤクルト、埼玉西武のマウンドに立った。1998年、2000年最多奪三振。2000年最優秀防御率。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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