香川真司とA・マドリー移籍交渉の真相=ゼロではなかった実現の可能性

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ヨーロッパでも高い関心を呼んだ移籍話

香川とA・マドリーの移籍交渉は、欧州でも高い関心を呼ぶ出来事となった 【Getty Images】

 夏の移籍市場のリミットを4日後に控えた8月29日。英紙『デイリーメール』が発したこのニュースは、日本のみならずヨーロッパでも高い関心を呼んだ。

 結局実現はしなかったものの、香川真司の移籍交渉が行われたことは事実のようだ。翌30日、スペインの人気サッカー番組『プント・ペロタ』に出演したFIFA(国際サッカー連盟)公認代理人のフランソワ・ガジャルドは次のように語っている。

「先週アトレティコ・マドリーにある選手をオファーしたところ、交渉を委託された。その選手はカガワだ。他選手の出入りともかかわるので簡単ではないが、実現の可能性はある」

 8月後半、A・マドリーは移籍を望んでいたアドリアン・ロペスに好オファーが届いた際の代役として、他にもチェルシーのフアン・マタ、アヤックスのクリスティアン・エリクセン、フィオレンティーナのアデム・リャイッチらをリストアップしていた。

実現に至らなかった理由

 だがその後エリクセンはトッテナム、リャイッチはローマへの移籍が決まり、マタの期限付き移籍もチェルシーのジョゼ・モリーニョ監督に拒否された。こうして徐々に選択肢が減っていく中、ガジャルドの発言が事実ならば30日の時点でまだ香川獲得の可能性は残っていたことになる。

 それでも香川の移籍が実現に至らなかった理由は何なのか。1つは先述の通り代役候補が減っていく中、A・マドリーのディエゴ・シメオネ監督がアドリアンの放出に待ったをかけたこと。もう1つは、マンチェスター・ユナイテッドが香川の代役となる選手の補強に失敗したことだろう。

 バイエルン・ミュンヘンに横取りされたチアゴ・アルカンタラ、本人に移籍の意思がないにもかかわらず執拗にオファーを繰り返したセスク・ファブレガス、アスレティック・ビルバオに3000万ユーロ(約40億円)のオファーを提示したアンデル・エレーラ、そして移籍期限最終日にアーセナルへ電撃移籍したメスト・エジル。

 今夏ユナイテッドが獲得に乗り出したのは、香川と同じトップ下タイプの選手がほとんどだった。

立場によっては冬移籍の検討もある

 その傍ら、香川は開幕からリーグ戦では4戦連続で出番なし。デイビッド・モイズ監督はその理由をコンフェデレーションズカップ出場による調整の遅れと話しているが、こうした市場での動きを見る限り、現状指揮官が香川を重要な戦力と考えているとは言いがたい。

 そして残留が決まった今後も現在の立場が変わらないようであれば、来年のワールドカップ(W杯)を見据える香川は冬の移籍という選択肢を検討せざるを得なくなる。

 いずれにせよ、その際に再びA・マドリーが移籍先の有力候補となる可能性は低いだろう。W杯まであと半年の時点で、言葉も文化も全く異なるリーガ・エスパニョーラに飛び込むのはリスクが高すぎるからだ。

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