秋競馬、2歳戦も本格化へ 初入厩の馬も続々登場=POGの達人コーナー
15日に新馬戦で勝利を収めたシャドウダンサー 【netkeiba.com】
相性の良い配合のシャドウダンサー
シャドウダンサーを◎にしたのは評判というよりも、ホワイトマズル×サンデーサイレンスで良い馬を探したいという前提によるもの。相性の良いこの配合も、この先そうたくさん見られるというものではない。
この配合にこだわった理由が、さらに個人的な理由だが、日曜中山の2歳新馬で3着になったワンハンドカット(以前本欄で紹介したことがある)。この馬は、母アイディアルカットを代理購買するため私が繁殖牝馬セールに行き、翌春お腹の中から出てきた仔。続いてホワイトマズルを付け受胎したのだが、出産前に母が死亡してしまった。その悔しさもあって、同配合の当たりを引くことに挑戦してみたかった次第である。
ちなみにワンハンドカットのほうは小島茂之師が「まだ仕上がり途上だったし、距離は1600mでも対応できそう。ダートもこなせるということでジョッキー(三浦皇成)とも意見が一致しましたし、勝ち上がれる馬ですよ」と語ってくれた。
秋競馬で注目したい馬たち
帰ってきた組では、ダイワレジェンドが走るか走らないかで皆やきもきしているようだが、私が期待しているのは同厩舎のウラレナ。まだ派手な時計は出していないが、東京デビューに向けて至極順調のようだ。
個人的に驚いているのが、トーセンマイティ。御存知の通り、ドラフト時期には様子が全く伝わらず「生きてるの?」くらいの言われようだった(失礼な)。もちろん生きているし牧場で15−15くらいはやっているという話を初夏くらいに書いたと記憶しているが、8月中旬に美浦へ入厩してずっと乗られている。むしろ早めじゃないかという勢い。どうでもいい話だがこの馬が現在入厩している未出走馬の中でのセール最高価格馬。次が9月に入って入厩したアールプロセスだ。
まだどのレースかは分からないが、デビューが近そうな中で個人的に注目しているのがプレスアテンション。当歳時にノーザンファームのセレクトセール上場馬紹介番組で取り上げられた馬だが、当時から良く見せた馬で、その上ここに来ての動きも良いとのこと。取材時に見る機会がなかったので赤本では△しか付けなかったのを後悔している。
過去の更新分のフォローという意味で触れておかねばならないのがテスタメント。いつぞやの函館で戦術の小島師に聞いたときは「じっくり」的な話だったのだが、気が付けば9月上旬に戻ってきていた。直後にいきなり美浦坂路52.6秒を出した感じからしてもやはり能力は高そうだ。
関東の人気馬ではトレクァルティスタのデビューが近い(東京開幕週)。馬体的には全兄コディーノに似たところがあると思うのだが、性格面は違うとのことで、それが競馬ではどう影響してくるか。
以上、ちょっととりとめのない形になってしまったが今回はこんなところで。
<了>
▼筆者:須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、90年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書を初めて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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