佐々木監督「選手と目標を達成したい」=ナイジェリア女子戦 メンバー発表会見

スポーツナビ

100人くらいがW杯に関われる要素を持っている

――ナイジェリアについてはどう見ているのか?

 2011年のナイジェリアは見ました。欧州のコーチがサポートしていて、非常に身体能力が高かった。モダンなサッカーに変わっていて、良いチームだなと思っていました。フランスと対戦した試合を見たんですけど、フランスにもひけをとらない戦いぶりでした。ただ今回は監督もスタッフも変わっています。U−20のチームなんかは時にマンマークを主体としたサッカーをやる。現在はどのようなサッカーをやるのか調べていますけど、以前のなでしこも負けているので、ナイジェリアというチームに対して弱いところがある。世界大会の前にこういう試合ができるので、成長するには良い戦いになると思っています。

――最初の試合で三宅選手が飛び級で招集されているが、どういうことを期待して選んだのか? また澤選手はどういう状態か?

 三宅選手はセンターバックです。ボールをさばく、時にはボールを持ち出していく。非常に若いながらもセンスがあるし、将来性も感じます。ぜひこの伸び盛りの時に、なでしこのサッカーを共有し、将来に生かしてもらいたいなと。

 澤については、ここ数試合90分間出場しています。コンディションが非常に良くなっていることを確認しました。今年最後の合宿になると思いますが、これを踏まえて、今後のなでしこ、現状の諸外国の変化を、併せて伝えていきたいと思っています。

――監督が描いているなでしこの将来像はどういうものか?

 将来像というのは幅広くあります。現在はカナダで行われるW杯に照準を合わせて、準備をしています。諸外国の変化という意味では、欧州の大会を見て、非常にコンパクトで以前の欧米とは違うなと感じました。我々は小柄なチームでありながら、タクティクスを持ってやっていたわけですけど、その質を成長させないといけない。そういうことをもう1度みんなに伝えていく。将来像といえば、さまざまな角度からいろいろなことをやらないといけないので、僕の役割としては、世界大会で結果という部分を出していくことになると思います。

――今回のメンバー選出はサプライズが多かった。若手や新戦力の発掘における狙いで、アルガルベカップの時とは違う部分はあるか?

 実際に今年は60名ぐらいを選出しています。U−20なども含めて、100人くらいが今度のW杯に関われる要素を持っている。数多くの選手がいきなり来ても難しいので、諸外国の事情も踏まえて、なでしこはこういうことをやっていく必要があるんだと伝えていきたい。彼女たちが各クラブに戻ってからも、そういうことを頭に入れて日々を過ごしてほしいなと。そこから将来が見えてくる部分もあると思います。

選手たちの願いをかなえさせてあげたい

――東京五輪の開催が決まった。実際に五輪で指揮した監督として、自国に五輪が来ることは感慨深いか?

 東京五輪が決まってうれしかった。選手たちも他国で開催する五輪よりも、東京で開催されることで重みも感じるだろうし、希望もあると思います。強化をするにあたっては、協会も僕も4年間を想定して、育成も踏まえてトータルに考えています。

――サイドバックの近賀選手と鮫島選手がけがから復帰したが、この2人のコンディションはどう報告を受けているのか? また彼女たちに期待することを教えてほしい

 近賀選手に関しては、何試合か視察したうえで、チームのメディカルスタッフと話をしました。メンタルの部分など相対的に判断してキャンプに来てもらって、プレーしながら今後のことも確認したいという思いで呼びました。鮫島選手はまだプレーは確認していないんですが、復帰したということ、2グループ目ということで日にちも少ない中でコンディションや今後のことを確認したいなと思っています。

――今回、2試合あるということでそれぞれにテーマを設けてやっていくのか、全体のテーマはどういうところにあるのかを教えてほしい

 ナイジェリアは、欧米とは違ったスタイルを持つチームなので、そこへの対応能力を一番重要視しています。個の部分でどれくらい対応できるかというところですね。あとは、実際に自分たちが積み上げているスタイルを、相手がどこであっても出せるかというところです。もう1度選手たちにイメージを作らせながら、理解させようと思っています。

――今回は11人の選手が初選出だが、若いメンバーに一番期待したいことは?

 まだこれからの可能性がある選手なので、いっときの試合で変化するものではないですけど、経験と日本の女子のトップがこういうことをやろうとしているんだということを、各チームに戻ったときに生かしてほしいというところですね。そういう意味では、なでしこリーグやチャレンジリーグの選手にもチャンスがあるということを、知らしめてほしいですね。

――東京五輪の話題が出ているが、監督はどのように関わっていきたいか?

 僕が関わるかは、現時点ではまだ分かりません。それよりも次のカナダW杯でなんとか選手たちの願いをかなえさせてあげたい。そしてリオデジャネイロ五輪につなげていきたい。それを考えることで精いっぱいですね。監督以外でどう関わるかはイメージできません。とにかく次のスパンで選手とともに目標を達成したいと思います。

<了>

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント