高橋建が断言! 広島CS進出確率100%、鍵は前田健、キラ

ベースボール・タイムズ

充実の投手陣、「借金があるのが不思議」

CS進出へ、広島のキーマンはもちろんエース・前田健太だ! 【写真は共同】

「カープがCSに進出する確率は100パーセント。それは自信を持って言えることです」

 そう断言するのが、広島で15年間プレーし、ニューヨーク・メッツでメジャーリーガーにもなった高橋建氏だ。
 広島は97年に3位になって以降、翌年から15年連続Bクラスと低迷している。しかし、今季は9月11日現在、4位の中日に2.5ゲーム差の3位と、悲願のクライマックスシリーズ進出は目前に迫っている。昨季も、8月終了時点で3位にいながら9月に大失速した苦い経験があるが、残り19試合、今年こそ広島は長い“負の呪縛”から逃れる事はできるのか。
 高橋氏の自信の根拠となっているのが、投手力の充実ぶりだ。

「今年のカープは、本来ならば勝率5割を切るチームではないはずです。貯金ができてもおかしくない先発陣の豊富さと、リリーフ陣のレベルの高さがあります。8月の戦いが、本当は4月からできていなければいけないんです」

 現在、チームは3位をキープしているが、借金は9と、本来ならばCS争いに加われる成績ではない。それでも2強4弱の様相となった今季のセ・リーグで、4弱の中では一歩抜け出した。7月までは月間成績で負け越しが続いた広島だが、8月は14勝12敗1分けと勝ち越し、CS争いでリードを奪った。

「8月の好調の要因となったのが、先発四本柱です。前田健太、バリントン、大竹寛、野村祐輔の4人で、3連戦を2勝1敗という形を作る事ができた。中村恭平や今井啓介など、5人目の先発がなかなか勝てないという歯痒さはありますが、リリーフ陣で今村猛、ミコライオに加えて、横山竜士と永川勝浩という実績のあるベテラン2人が帰ってきたのが大きい。この陣容を考えると、借金があるのが不思議なくらいですよ」

昨年から進歩、層の厚さを増した打線

 高橋氏が太鼓判を押す投手陣が、混戦となっているCS争いで、広島有利と評する声の有力な根拠となっているのは間違いない。ただ、昨季の失速の原因となったのが、打撃陣の不振だった。その打撃陣に関しても、高橋氏は昨年との違いを強調した。

「今年も4番をなかなか固定できないチームでしたが、キラの加入で打線に核ができました。キラに対しては、相手投手も相当神経を使っていることが、配球を見てもわかります。最近は徐々に研究されてきて、インハイを攻められて、最後はアウトローでやられるというパターンに苦しんでいますが、それに対応するような姿勢も見せています」

 9月に入ってからは、開幕から4番を任されたエルドレッドも復帰した。外国人2人を並べるオーダーは、ディフェンス面を考えると、落とし穴にもなりかねないが、投手の左右や相性、調子などを考えてどちらかを4番で起用すれば、一本芯の通った打線になる。
 その4番の周りを固めるバッターにも、今年は進歩が感じられる、と高橋氏は続ける。

「今年は日本記録を作った廣瀬純をはじめ、丸佳浩、松山竜平と、チャンスをものにしている選手が出ています。今の首脳陣は、ある程度、平等にチャンスを与えている印象ですが、その中で、今年はみんないい経験をしている。悪く言えば、レギュラーを固定できていないという事かもしれませんが、逆に誰が出てもおかしくない状況で、層は厚くなっていると思います」

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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