ザック「守備陣を心から信頼している」=グアテマラ、ガーナ戦メンバー発表会見

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今選ばれている選手に自信を持っている

過去7試合で19失点と守備に問題を抱えているが、ザッケローニ監督は選手たちに変わらぬ信頼を寄せた 【スポーツナビ】

――東アジアカップで招集した大迫と齋藤を呼んだが、彼らがチームに入ってどういうプレーを期待したいと思っているか?

ザッケローニ監督 できる限り試合で見ていきたいという気持ちはあるが、それ以上にトレーニングの中で、常連組と合わせることができるか、絡めることができるかを楽しみにしている。彼らはリーグ戦での活躍も著しいと思うし、常に成長している部分も見られるので、こういうチャンスを与えるべきだと判断した。大迫に関しては、ボックス内に入っていく動き、フィジカルの強さ、ダイナミズムやポストプレー、守備と絡める動きを評価している。最近ではゴールに向かう姿勢が出てきたのかなと思う。齋藤に関しては、相手に的を絞らせない動きをしたり、1対1の強さを持つ仕掛けの部分の怖さ、相手DFの裏に走り込む運動量のある選手だと評価している。2人に言えることは攻守両方でチームに貢献できる選手ということだ。

 代表選手を選ぶ上ですべての選手を注意深く視察しているわけだが、やはり攻守両面でチームに貢献できる選手を大切にしているし、代表に来る選手はそれができる選手でなければならない。

――先日のウルグアイ選手の前日、期間が短いのでなかなか難しいと言っていたが、今回の2試合は期間があるため、高い要求をしたいと言っていた。今回はメンバーにどのような要求をしたいと考えているのか?

ザッケローニ監督 今回は少し時間がある。この間のようなシングルマッチだと海外組のコンディションを把握できずに試合に臨まないといけないが、今回は時間があるので、海外組のコンディションを見て、しっかりとメンバーとフォーメーションを考えていきたいと思う。ウルグアイ戦に関しては、われわれのミスが多かったと思うが、同時にウルグアイがミスが少なかったことは言わなければならない。

――ディフェンスラインの顔ぶれはほとんど変わらないが、最近の失点の多さを見て、代わりとなる新戦力がいないのか、彼らに寄せる信頼が大きいのか?

ザッケローニ監督 私が考えているのは、いち個人やディフェンスラインの選手のことをいうのは簡単だが、他のポジションの選手との絡みを考慮しなければいけないということだ。たとえば、(リオネル・)メッシはバルセロナでは非常に違いを見せられる選手だが、代表ではなかなかそういう違いを生み出せない。これはチーム全体のコンディションであったり、チームのやりたいことができる時期もあればできない時期もある。それを考えなければならない。

 結論としては、ほかのメンバーが思い当たらないというよりは、今選ばれている選手に自信を持っているし、彼らは高い能力を持った選手たちだと思っている。当然、DFラインの選手たちもおのおのコンディションを上げることが重要。失点が多いのはここ最近だが、欧州のシーズンが終わった時期、始まった時期と重なっている。この10日間で、フィジカルコンディションを上げることは難しい。どちらかというと、チーム全体としての守備の整備をしたいと思うし、まずはDFラインをよりまとまった状態にすることが大事だと思う。DFラインがいかに前の選手と連動できるか。攻撃をするときには、DFラインが最初のアタッカーだし、守備をするときはFWの選手が最初に守備をすることが大切だと思っている。

 われわれは守備一辺倒でやる戦いはしていないから、チーム全員が攻撃と守備をしっかりとこなすことが大切になってくる。就任当初は決定力不足と言われてきた。まずはその問題点を改善しようということで、着手してきた。そこはある程度、整備できたと思っているので、これからは守備の部分を改善していこうと思っている。DFラインの選手たちを本当に心の底から信頼をしているし、「世界中の選手を取っていいよ」と言われても、そんなに大きくは代えたくないと思っている。

攻撃をしやすくすための守備にしたい

――原委員長、グアテマラとガーナはベストメンバーで来日するのか

原委員長 いちおう今発表されているメンバーを見ますと、ガーナは日本に来る前に予選があります。グアテマラは予選で負けているんですけど、次のW杯なりを目指すチームで来ると思いますので、いいメンバーで来てくれるとは思います

――ボランチは遠藤と長谷部のコンビをずっと使ってきているが、今回呼ばれた青山や山口を試す予定はあるか?(スポーツナビ)

ザッケローニ監督 この2人を呼んだ理由は、常連とどのように絡めるのか。A代表でどういうことができるのか見極めたいからだ。当然、そこのメンバーのコンディションを見て使っていくかどうか決めないといけない。たとえば長谷部は、所属チームで出場機会が多いわけではないので、ここで使わないといけないなと思っている。

――ウルグアイ戦で失点が多いことが指摘されているが、守備よりも長所としての攻撃を貫くという考えはあるか?

ザッケローニ監督 先ほどの繰り返しになるが、私が監督に就任したときの代表チームは、攻撃の部分を指摘されていて、そこから改善に着手した。数カ月前は攻撃は良かったし、守備についても失点が多いチームではなかった。最近、失点が多くなった理由は、数人の選手のコンディションが上がっていない、最高の状態ではないのが決定的な理由だ。シーズン的に良くない時期だったからだと思う。ここ数カ月で失点が多すぎる状況があるのなら、監督としてはチームとしてのバランスやまとまりを調整することは考えないといけないかなと思っている。個のクオリティー、個のコンディションを高めることが、問題解決には大切になると思う。哲学として、守るための守備ではなく、次の攻撃につながるための、攻撃をしやすくすための守備にしたいと思っている。

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