豊作の若トラ 12年ドラフト組のいま=阪神・鳴尾浜通信 2013年8月版

ベースボール・タイムズ

ドラフト4位・小豆畑眞也(捕手)危機感ありあり!

 社会人卒の小豆畑(あずはた)だが、吉田バッテリーコーチは「肩がちょっと強いだけで、2軍の試合に出るためにはまだまだ全体的なレベルアップが必要」と手厳しい。出場機会が少ない分、試合後はもちろん、試合前にもハードなメニューをこなしている。

「一番へたくそが一番練習しないといけないですから。スローイングには自信があるんですけどインサイドワークとかバッティングとか、全体的なレベルアップが必要ですね」
 プロ1年目ではあるが、今年で25歳。常に危機感も感じながらプレーしているとのことだ。
「辞める時に悔いを残したくない。今から辞める時のことを言うのも変ですけど、危機感はありますよ。どんどん新しい選手が入って来る世界ですから」

 危機感なしに成長はない。この心意気で、主力と呼ばれるまでに成長してくれることを期待だ。

ドラフト5位・金田和之(投手)中継ぎとしてブレークを

 大学時代は先発で鳴らした金田だが、プロでは中継ぎに挑戦中。久保投手コーチは「毎回新鮮な気持ちで投げられるように」とその狙いを明かす。本人も、中継ぎの魅力を感じつつあるという。

「中継ぎの方が1イニングに集中しやすい。先発のときの感覚で、まだ探りから入ってしまうことがあるので、中継ぎとして最初からガッと入れるようにすることが課題です。先発、中継ぎのこだわりはないです」

 登板機会は無かったが、今年8月15日には1軍昇格も果たした。「1軍は違った緊張感がありました」と振り返りながら、「自分に足りない部分も見えて来た」と、次は中継ぎの一角としての1軍登板を目指す。

ドラフト6位・緒方凌介(外野手)目指せ赤星

 1軍でも代走で2試合に出場し、プロ初得点も記録した緒方。ファームでは、セーフティバントや逆方向へのゴロなど、武器である“足”を活かしたプレースタイルに磨きをかけている。
「1軍に呼んでもらって出させていただいたのは光栄ですけど、勝ち取ったものではなくオマケみたいなものだった。結果を残して『緒方を使いたい』と思わせられるよう頑張ります」

 目指すは、5年連続盗塁王に輝いた“先輩”スピードスターだ。
「いやらしい、足を活かした選手になりたいです。タイプ的には赤星(憲広)さんのような選手が目標です。身体も強くて、ずっと試合に出られていましたし、盗塁王の常連でした。そんな選手になりたいと思います」

 赤星氏以後、タイガースにスピードを活かすタイプの選手で1軍に定着した選手は出てきていない。赤星の正統後継者へ、緒方の飛躍を楽しみにしたい。

(小中 翔太/ベースボール・タイムズ)

<了>

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント