ザック監督「新しい選手の台頭は理想的」=国際親善試合 ウルグアイ戦前日会見

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ウルグアイ戦の前日会見に臨んだザッケローニ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は13日、翌日に控えたウルグアイ代表との親善試合に向けて、試合会場である宮城スタジアムで記者会見を開いた。本田圭佑や香川真司ら欧州組の主力がメンバーに復帰した日本は、柿谷曜一朗ら東アジアカップで優勝に貢献した新戦力とどのような融合を見せるのかに大きな注目が集まっている。

 会見に出席した日本のアルベルト・ザッケローニ監督は、期待の新戦力について「新しいメンバーに関しては能力が高いし、プレーの質も良いという印象がある。グループになじむことは難しい作業ではないと思う」と語り、チームにうまくフィットしていることを強調した。また、ミラン移籍報道で注目が集まる本田に関しては「欧州のビッグクラブに移籍したならば、そこでしか得られない素晴らしい経験が待っているし、それを代表に還元してくれれば」と移籍を歓迎した。

ウルグアイから学ぶべきところがある

――ウルグアイ戦のテーマは欧州組と東アジアカップ組との融合だが、明日、期待することは何か。また相手の攻撃に対して、どのような守備を考えているか。それと(別メニューだった)長友佑都の状況についても教えてほしい

 まず守備についてだが、修正することはできなかった。理由は今日、来日したメンバーもいて準備期間がほとんどできなかったからだ。失点が多い理由については、メンバー発表の会見かインタビューでも答えたと思うが、より多くの得点を狙うチームにはそれだけ失点のリスクが伴う。それだけの話だと思う。私自身が攻撃的サッカーを信じている。現在のチームを見ても、前線の4枚にはアタッカーを配置しているし、ダブルボランチは攻守ともに優れた選手を置いている。両サイドバックも攻撃的だし、センターバックでさえも元MFの選手で、守備専門の選手はGKしかいない。当然、必ずとは約束できないが、われわれの目的としては、常に相手よりも1点でも多く取って勝つということだ。この3年間の数字を見ても、72ゴールに対して36失点(※編集部注:実際は74得点、38失点)。失点よりも2倍の得点を挙げている。たくさん得点し、失点が少ないチームが存在するのであれば、ぜひ見てみたいと思う。

 これまでの常連組と新しいメンバーとの相性や組み合わせだが、これまでも32人もの新しい選手を呼んでいる。新しい選手が来ることは慣れているので何も変わったことはない。このチームのベースのグループが、新しいメンバーを受け入れる体制が整っているし、新しい選手が入ってくることは理想的な環境だと思う。ワールドカップ(W杯)に向けてフレンドリーマッチしかないので、こうしたニューフェースが入ってくることについては、チームとしても慣れておく必要がある。新しいメンバーに関しても能力が高いし、プレーの質も良いという印象があるので、グループになじむことは難しい作業ではないと思う。当然、チームに対して、多くの要求はしないと決めている。準備期間が短いし、次の2連戦で選手にはより高い要求をすることになると思う。

 長友に関してだが、帰国したときから疲労感があり、(筋肉に)張りもあったので、明日は状況を見て疲労が回復していれば試合に使う。ただ、ここでリスクを犯すべきではないのかなとも思っている。

――ウルグアイはポゼッションが低い試合でも点を取って勝利できるチーム。日本はポゼッションを高めながら勝利を目指すチームだが、この両者の戦いについてどう考えるか?

 このマッチメークだが、私の方から協会にお願いした。ウルグアイは南米選手権でもW杯でも優勝経験があり、1980年代から欧州のビッグクラブに選手を輸出し続けているサッカー大国だ。こうしたチームから、われわれは試合を通して吸収し、学んでいかなければならない。当然、われわれとのサッカー観は違う。ウルグアイはボールを保持したら、すぐに前線のクオリティーの高い選手にボールを預けて、個で打開するサッカーをする。それに対してわれわれは、よりコンビネーションに重きを置いている。

 当然、われわれは自分たちのサッカー哲学を持っているし、コンビネーションを重視したサッカーをやっていきたいわけだが、技術的・身体的にウルグアイとは持っているものが違うので、目指すサッカーも異なる。それでも何が学べるか、ミスが少ないチームで、ミスを犯すとそこを突かれてしまう。そのあたりは彼らから学ぶ必要があると思う。何を学ぶかといえば、彼らは非常にミスが少ないし、対戦相手が隙を見せるとそこを容赦(ようしゃ)なく突いてくる。また非常に経験があり、忍耐強いサッカーをすることもできる。そのあたりは彼らから学ぶべきだと思う。

 これは選手にも伝えたが、私が指揮を執ってからの3年間でアジアカップがあり、W杯予選があり、コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)と東アジアカップを戦ってきたわけだが、コンフェデ杯以外は自分たちの実力を見せ、求められた結果を得てきた。これからW杯までの1年、また新しいステージに入って、準備しなければならない。

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