議論呼ぶメッシ、ネイマール共存の成否=過去のモデルは成功のヒントとなるか
尽きることのない2人の共存の話題
バルサでチームメートとなったネイマール(左)とメッシ(右)。話題は2人が共存できるかについてで持ちきりだ 【Getty Images】
メッシ自身は共存できるかと聞かれて、「できないと言っているのは、(それを書いている)あなたたちなのだから、その理由は僕に聞かなくても、自分で説明しているだろう」と皮肉を込めて答えている。ネイマールは「ゴールを決めたら、メッシも踊りの輪に入れて一緒に踊りたいね」などと、何とも楽しい提案をしており、バルセロナでプレーすることへのの喜びが、言葉の端々からうかがえる。
実際、入団発表のあいさつは、「世界一のプレーヤー(メッシ)が世界一であり続けるために、その一助になるために来ました」と殊勝なものだった。その言葉に嘘がなければ、2人の共存には全く問題がないだろう。
また、バルセロナの新監督として就任したヘラルド・“タタ”・マルティーノのこの問いに対する回答は、明快だった。「もし、2人が一緒にプレーできないとしたら、それは監督の力不足であり、決して選手のせいではない」と就任記者会見で自らの見解を示している。
とはいえ、2人のプレースタイルを比較した時、メッシの方がチームプレーへの貢献度が高い。また、統計にも出ているが、中盤におけるパスの数は、やはりメッシの方が多い。ネイマールはバルセロナというパスサッカーの聖地で、その技術の向上を求められることになるはずだ。
チームの中心であるが故に陥ったメッシ依存
だが、それを言うなら、シャビとの争いも同様ということになる。また、試合にもよるが、メッシは自らの得点数を挙げるために、強く主張してFKを蹴るタイプではない。PKなども譲ることが往々にしてあり、「ゴール記録を狙うなら蹴ればいいのに」。と周囲をやきもきさせることもある。
ただ、ここ数年、エトー、イブラヒモビッチ、今季はビジャなど、偉大なFWが来ては最終的に去っていき、メッシだけがクラブに残り続けているというのも事実だ。バルセロナが抱える矛盾は、メッシを中心にチーム作りを行う反面、「メッシ依存症」から抜けられないところにある。この相反した状況を打開するためのカンフル剤としての役割が、ネイマールには求められている。