瀬戸大也、最高の泳ぎで“萩野超え”を=世界水泳バルセロナ2013

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「表彰台を目標にやっていきたい」

幼いころからのライバルである萩野(左)を筆頭に、瀬戸が生まれた94年は有望株がそろっている 【写真は共同】

――世界選手権の出場は初めてとなります

 昨年は悔しい思いをしたので、今回はやっと代表に入れてホッとしています。ただ、そこが終わりじゃないので、世界選手権では最高のパフォーマンスをして、表彰台を目標にやっていきたいですね。現時点では世界ランキングで3位なので、しっかりと自分のレースをすれば、メダル獲得も見えてくるかと思っています。まずは自分の最高のパフォーマンスを出すことが目標です。楽しみですね。

――日本代表の合宿にも参加していますが、新生チームジャパンの雰囲気はどうですか?

 自分は代表で大きな試合に臨むのは初めてなので、去年とどう変わっているかは分からないですけど、自分と同年代の選手も多くて、すごく元気があるのかなと。今年は若い顔ぶれが入っているので、変わった面はあると思います。

――チームには比較的すんなりととけ込めましたか?

 そうですね。合宿などで練習は一緒にさせてもらっていたので、元から話したことがありましたし。ベテランの選手はすごく自分を持っていて、夏に合わせて自分でしっかり調整しているので、そういうところは見習っていきたいです。オーラがやっぱり違いますよね。堂々としている。自分も堂々としていないわけじゃないんですけど、今後も自信を持って代表に入っていけたらなと思います。

――代表チームに入って「この人のオーラはすごいな」と思った選手はいますか?

 やっぱり北島康介選手(アクエリアス)ですね。松田丈志選手(コスモス薬品)も自分に厳しく、ストイックにやっている部分なんかはすごいなと思います。

――昨年のロンドン五輪ではチームの絆が話題になっていました。瀬戸選手は、チームでいることのメリットはどういう部分だと思いますか?

 自分はチームでいることが好きですね。早稲田大学のチームも好きですし。1人が調子悪くても、周りがカバーして、どんどん良い流れにしていくことができるので、そういうメリットはあると思います。自分は個人メドレーが日程的に最後の方なので、最初は応援にまわるんですけど、そこで刺激を受けて、自分のパワーに変えて、自分のレースのときは最高のパフォーマンスを出したいなと思っています。

――日本水泳連盟は、今回の世界選手権や3年後のリオデジャネイロ五輪での金メダル獲得を目標に掲げています。それを達成するために足りない部分はどこでしょうか?

 自分は背泳ぎが苦手なので背泳ぎの強化と、自由形は海外の選手がすごく粘ってくるので、それに負けないように基礎的な持久力をつける必要があると思っています。海外選手は前半から積極的に突っ込んでくる。自分も最初から行く積極的なレースが持ち味なんですが、6月の欧州グランプリではセーブしている自分がいたので、世界選手権では怖がらずに積極的に行けたらと思います。そして後半を耐えられるように強化して、自己ベストを出したいですね。世界選手権では表彰台に登って、萩野君と日の丸を2つ掲げたいなと思っています。

「リオ五輪まで1日1日を大切に」

――ジャパンオープン後の壮行会で、瀬戸選手は『ベストパフォーマンス』というテーマを掲げていましたが、これにはどういう意味が込められているのですか?

 ベストパフォーマンスを出して、自己ベストが出ればいいですし、悔いのないように終わりたいと思っています。その結果、メダルを獲得できればいいなと。現状ですと、ベストが出ればメダルに手が届く可能性があるので、最高の泳ぎを見せたいと思っています。

――世界水泳でベストパフォーマンスを出すためにやるべきことは何でしょうか?

 6月の欧州グランプリではあんまり調子が良くなかったんです。ちょっと不安があるので、まずは泳ぎの感覚を取り戻す必要がありますね。体のキレがないので、スピード系のトレーニングをして、体に刺激を与えたいと思っています。しっかりと練習はしてきているので、あとはキレが出てくれば自信を持って、臨めるかなと。コンディションを整えていくことが必要なので、きちんと調整したいと思います。

――疲労が原因ですか?

 そうかもしれないです。ちょっと疲れを抜きつつ、トレーニングもしっかり積んでいきたいです。向こうでは、前半から積極的に行くレースを試したかったんですけど、それができなかった。突っ込んでもタイムが遅くて。ただ後半は粘れた。やりたいレースはできなかったんですけど、タイムは遅くなかったので、それは良かったです。長水路でのレース経験もかなり積めたので、すごくいい試合だったとは思います。

――大学生活との両立で大変だと思いますが、モチベーションはどのように維持していますか?

 大学ではチームで練習しているとすごく盛り上がりますし、いい練習ができています。ただ、中だるみする時期があったりするので、そこは締めていかないとダメですね(苦笑)。いい練習ができていないときは、やる気の問題にもつながってくるので。いい練習ができれば、もっともっと自信をつけられると思いますし、とにかく集中して、気合いを入れていきたいですね。

――世界選手権の位置づけはどのようにとらえていますか?

 リオ五輪までに1日1日を大切にしていきたいと思っています。その意味で、今回の世界選手権は1つのステップとして、しっかり自己ベストを狙っていきたいですね。400メートルのほうがメダルは取りやすいと思うので、まずはそこが目標です。200メートルももちろん自己ベストを狙っていきます。リオ五輪に向けて、その目標をしっかりと達成し、1つのステップとしていきたいと思っています。

――選手としての最大の目標はどこに置いてますか?

 やっぱり五輪での金メダル獲得です。それに少しでも近づけるように、まずは世界選手権でメダルを獲得して、その次は金メダルとどんどんステップアップしていきたいと思っています。

<了>

(取材・大橋護良/スポーツナビ)

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