日本人若手、F1へのいばら道=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第9回
目標はF1
シルバーストンで行われたAUTO GPで優勝を飾った佐藤公哉。彼にかかる期待は非常に大きい 【AUTO GP】
最近、ヨーロッパでレースを戦う若者たちの様子が、フェイスブックやツイッターといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して伝わってくる。SNSが今のように一般的でなかったひと昔前には考えられなかったことだ。正直言って驚いている。こんなに多くの若者がヨーロッパでレースに挑んでいるなんて、考えたこともなかった。それも、彼らは全員口をそろえて「目標はF1です」と言う。そう言い切る。そういう文言に当たると、驚くと同時に心配している。何を心配しているかと言えば、その目標が現実的なものかどうか、彼等は冷静に判断しているのかどうか、という点だ。
こうした若者がいかにしてヨーロッパに戦いの場所を見つけたのか、興味あるところだ。少なくとも、日本でレースを続けていてもF1という目標に到達できないと考えたからだろう。その考えに反対するものではないが、現実はどうかといえば、海外に出てもF1が手の届くところにあるかどうかは別だ。そもそも、日本のレースでトップを取れないのに海外で通用するのかといえば、それはあやしい。