安藤美姫、五輪へ立場厳しくも「一歩ずつ」

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アイスショーで久々のジャンプを披露した安藤美姫、しかしソチ五輪へは厳しい道のりが待っている 【坂本清】

 フィギュアスケートのショーイベント「ドリームオンアイス2013」が28日、新横浜スケートセンターで行われ、羽生結弦、元世界女王の安藤美姫ら19組が出演した。

 安藤は白の衣装で登場し、「アメージンググレース」の音楽で得意とする3回転サルコウにトライ。前回出演した6月上旬のショーでは封印したジャンプを、今季初披露した。バランスを崩すなど反省点はあるものの、「前よりもジャンプの上がり方が軽い感じに」と、好感触を得た様子だった。
 また、スパイラルで氷上を優雅に滑ると、観客席からは拍手が沸き起こった。

安藤、厳しい五輪への道

 来年2月のソチ五輪へ向けたシーズンを前に、安藤は厳しい状況にある。休養宣言した2011−12シーズンに続き、昨季はコーチ不在による調整不足のためグランプリ(GP)シリーズを含めた大会を欠場。強化指定選手も辞退していた。今年の1月1日には所属のトヨタ自動車を退社し、進退についての憶測を呼ぶ状況だったが、安藤自身は本格復帰を視野に国際スケート連盟に大会欠場理由のレター(説明連絡)を送り、「(昨年の)10月から、今季へ向けたショートプログラムをつくっていた」と準備を整えていた。しかし、コーチ探しという理由があったものの、結果的にGPシリーズを直前で欠場したこともあり、日本スケート連盟からは「6月(5月末)までショーに出てはいけないと言われてしまった」(安藤)と困惑した。
 また、2シーズンのブランクもあり、今年度の強化指定選手には選ばれず。ソチ五輪代表となるには、年末の全日本選手権出場が必須だが、前年大会に出場しておらず強化指定選手ではない安藤は、予選大会から出場する必要がある。また、選考大会に関わるGP大会も強化指定選手外のため、現状では出られない。

 今後に向けて、昨季不在だったコーチは「決まってはいないが、一人声を掛けている方がいる」。大会復帰へのベストな方法は相談中としながらも「ひとつひとつの試合をこなしていくことが、自分の義務でもあり、選手としてやるべきことだと思うので。一歩ずつ」と、まずは自分の足元をかためる。

羽生、五輪「出たい」 SPは未定も新作希望

羽生は五輪へ向け新作のSPを準備する予定 【坂本清】

 昨季の全日本覇者、羽生は昨季のショートプログラム「パリの散歩道」の演技を披露。グランプリシリーズで歴代最高得点を2度更新したプログラムを滑り切り、「すごく楽しく滑れました」と、清々しい表情で振り返った。

 五輪シーズンへの思いを問われると「夢の舞台。『出たい』と思っています」と力強く語った。プログラムについては、ショートは未定としたが「(昨季プログラムの)継続は、僕の中ではしない予定です。確かに高い点数は出したし、世界選手権でしっかり燃焼しきれていないというのはありますが、新しいものを見せたいというものもあります、(振付担当の)ジェフリー(・バトル)もすごく熱心に考えてくれていますし」と新作を準備する予定。フリーは「見せられる段階ではないが、形としてはできている」と状況を語った。

<了>
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