W杯まであと1年、ブラジルの確かな成長=新システム構築の鍵はネイマール

誰もが望むスペインとの決勝戦

今大会の決勝で誰もが、スペインとの決勝を望んでいる。実現すれば、ブラジルにとって方向性を見極める貴重な判断材料となる 【Getty Images】

 ブラジルは今回のコンフェデ杯で優勝することができるだろうか? 26日(現地時間)にベロ・オリゾンテで行われる準決勝の相手はウルグアイに決まった。スコラーリ監督はイタリアを4−2で下したグループ最終戦の後、「非常によく鍛えられたチーム」とライバルの印象を語っていたが、ブラジルの勝機は十分にある。

 スコラーリ監督は選手たちに自信を植え付けることで、徐々にセレソンを成長させてきた。強豪国の代表チームでは、先発メンバーが固定され、プレーする選手が少なくなればなるほど、ビッグイベントへ向けてチームが固まってきたことを意味する。そう考えると、今大会で指揮官が15人以上の選手を起用していないことは良い傾向だと言える。

 ホスト国のためW杯予選が免除されているブラジルにとって、経験豊富なオスカル・タバレス監督率いるウルグアイとの一戦は、自分たちの現在のレベルを知る非常に興味深い一戦となる。

 そしてその先にある決勝では、誰もがマラカナンの舞台でスペインとの対戦が実現することを望んでいる。

 ブラジルにとってスペインとの対戦は、結果が求められるのはもちろんのこと、自分たちの方向性が正しいかどうかを見極める貴重な判断材料となる。一方のスペインにとっても、まだ倒していない数少ない強豪国の1つであるブラジルを相手に、しかも完全アウエーの状況下でボールを支配し、相手の攻撃力を抑え込むことができるかどうかを確かめる一戦となる。

 いずれにせよ、今大会は刻一刻と近づいている来年のW杯を占う多くのヒントをわれわれに残してくれるはずだ。

<了>

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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