全日本分裂へ…白石社長が武藤に最後通告
諏訪魔は涙の残留表明「1人になっても」

新団体設立へ動く武藤に不快感

武藤と決別し全日本プロレス残留を表明した諏訪魔
武藤と決別し全日本プロレス残留を表明した諏訪魔【長谷川亮】

 分裂騒動に揺れる全日本プロレスが11日、都内・事務所で株式譲渡に関する記者会見を行い、白石伸生社長が途中経過を報告した。


 白石社長は武藤敬司前会長との株式譲渡に関する交渉が継続中であると語ったものの、武藤前会長に一部報じられた新団体設立の動きがあることを「物には順序がある。交渉期間、選手契約のあるうちに派手なアクションをされるのはいかがなものか」と遺憾を表明。「このまま行くと交渉を打ち切り、その上で違約条項の契約が残っているので、それをどう円満に解除していくかという話し合いにシフトしていかざるをえない」といい、「このままでは今週いっぱいぐらいで交渉を打ち切らざるをえない」と、近々今後の方向性が定まることを示した。また、「6月30日の両国大会にはどの選手が残って全日本プロレスを守っていくというのが発表できると思います」とも語った。

プロレスファン、業界関係者には謝罪

全日本プロレスの白石新社長は「交渉は今週いっぱい」と武藤に最後通告
全日本プロレスの白石新社長は「交渉は今週いっぱい」と武藤に最後通告【長谷川亮】

 白石社長は会見の冒頭で、「会場以外のところでプロレスファンの方々、業界関係者の方々に対し私の行き過ぎた言動、誤解を招く発言等があったことをお詫びさせていただきたいと思います」と話して謝罪。問題となる発言が目立った自身のFacebookを削除したことについては、「言葉が先行すると私の真意が伝わらない。社長に就任した以上、マスコミの方たちともファンの方たちともフェイス・トゥ・フェイスで人間関係をしっかり築いていきたいのでFacebookは削除しました」とその理由を説明した。


 現時点で全日本と武藤派への分裂が避けられない流れとなったが、全日本への残留については「何人残るか分からない」と白石社長。「今後選手1人ひとりに事業計画をちゃんと話をして、全日本プロレスを守っていきたいという選手だけに残ってほしい。看板の重みより武藤さんへの感謝の気持ちが強い方は武藤さんの方に合流されても仕方がない」といい、「“経営をしっかりする”という大義名分の下、武藤選手との師弟関係を分断することになってしまったので、この点は一番申し訳なかったと選手たちには思っている」と一時のキャラクターとは一転、殊勝なコメントで続けた。


 さらに加えて白石社長は年間で130〜140大会行っている現在から100大会に絞るなど巡業形態の見直しや7月からの展開についても言及。全日本残留を希望しない選手については7〜9月で決まっている日程をこなした上で選手契約を解除していくと話した。

恩師・武藤と決別「次に会うときは笑顔で」

「1人でもやっていきたい」と“全日本愛”を語った諏訪魔
「1人でもやっていきたい」と“全日本愛”を語った諏訪魔【長谷川亮】

 白石社長の退席後、会見には諏訪魔が登壇。全日本プロレス残留を表明した。

「全日本プロレスに残る決断をしました。ここまで育ててくれた武藤さん、内田さん(前社長)には文句の1つもないですし、感謝の言葉しかありません。でも僕は全日本プロレスが好きで全日本プロレスに入団したので、その全日本プロレスを裏切ることはできない。それで全日本プロレス残留を決めました」

 話の途中、諏訪魔は決断したと言いながらもやはり全日愛と恩人への思いで揺れるところがあったのか、目に涙をたたえる場面も。

「武藤さんからは『みんなで新団体に行こう』という話を直接されたのですが、一度たりとも(全日本から)離れる訳にはいかない、そういう気持ちが強かった。武藤さんには『次会う時はお互い笑って会えるといいな。頑張れ』と温かい言葉を掛けてもらいました。ですので次に武藤さんに会う時はもっと立派な姿になって、最高の笑顔でごあいさつしたいと思っています」


 会見の中で諏訪魔は「1人でも全日本プロレスをやっていきたい、そういう強い思いがあります。自分の信念を貫いて頑張っていきたい」と自身の気持ちを強く表し、不可視な今後に対し前を向いた。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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