アントニオ猪木が出馬「日本に元気を」=政界再進出の決め技は独自の外交路線
出馬理由の第一声は「日本に元気がない」
維新の会から参院選に出馬することを表明したアントニオ猪木氏 【平野貴也】
猪木氏は現役レスラーだった1989年にスポーツ平和党を結成して参院選に初当選。90年に湾岸戦争直前のイラクへ出向いて「スポーツと平和の祭典」の開催で日本人人質の解放に尽力したほか、北朝鮮を訪問するなど独自の外交を発揮した。95年に落選し、98年には政界引退を宣言していた。
出馬理由の第一声は「日本に元気がない」だった。「元気があれば何でもできる」が信条の猪木氏。「まさか政治に戻ることはないと思っていたのに、気が付いたら今日のような運びになっていた。ただ、国会の中を歩いている自分を夢に見ることが何度かあった。18年ぶりに国会の絨毯を踏んだが、そこを歩けるかどうかは選挙次第。参院選だけど何も盛り上がらないし、投票率も低迷している。日本を元気に、政治を元気に。参議院無用論も出ているけど、もっとそれぞれが役割を果たせば参議院の持ち味も出るのではないかと考えた。政治は政(まつりごと)。少し捉え方が違うかもしれないけど、皆さんに参加してもらう火付け役を背負わせてもらえればありがたい」と再び国政の盛り上げ役に名乗りを挙げた。
「逆風の維新に風をもう1回吹かせたい」
「今の日本に元気がない」が出馬の理由だった 【平野貴也】
維新の会は、共同代表の橋本大阪市長による従軍慰安婦発言などで逆風を受けているが「オレもかつてはイラクの人質解放で勢いに乗っていたらスキャンダルにたたかれた。維新に風をもう一回吹かせることができたらというのが私の思い」と巻き返しを誓った。現役時代に死闘を繰り広げたタイガー・ジェット・シン戦にひっかけた言い回しの裏側には、逆境へ立ち向かう闘志がちらついている。
「猪木の賞味期限が切れないうちに暴れたい」
プロレスラー時代のまな弟子である藤原(写真左から2人目)がIGFのレスラーを引き連れ、盛大にエールを送った 【平野貴也】
会見には弟子であるプロレスラーの藤原喜明が応援に駆け付け「領土問題などさまざまな問題で難しいことになっています。いよいよ我らがアントニオ猪木の出番です。よろしくお願いします」とエールを送った。猪木氏は、誰もやっていないこと、誰もできないことをやっていきたいと言い「70(歳)からの旅立ち。良い仲間と旅をしたり、食事をしたり。こんな良い時間をなぜ捨てて……そんな気もするけど、猪木の賞味期限が切れないうちに。猪木の元気が賞味期限。どこに行っても握手を、あるいは1、2、3、ダァーッ!を、あるいは(闘魂注入の)ビンタを求められる。なんでこうなっているのかなと不思議に思うが、何かの役割を背負っているのかなと実感している。せっかく親からいただいた長いアゴというか、一回見れば忘れない顔を生かして、政界に出たら思い切り元気で暴れてみたい」と飽くなき挑戦の意思を表明した。維新の会に吹き荒ぶ逆風も、猪木氏にはどこ吹く風。かつて「国会に卍固め、消費税に延髄斬り」のキャッチコピーで国会に進出した燃える闘魂が、再び国政進出へ動き出した。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ