ザック監督「世界との差を測る絶好の機会」=イラク戦、コンフェデ杯メンバー発表会見

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日本代表はザック監督が「いいテストの場」と位置付けるコンフェデ杯でどんな戦いを見せるのか。指揮官は「ピッチで証明したい」と自信を見せた 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は5日、6月11日のワールドカップ(W杯)・アジア最終予選のイラク戦、15日(現地時間)からブラジルで開催されるコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)に臨む日本代表メンバー23名を発表した。日本は4日のオーストラリア戦で引き分け、5大会連続5度目のW杯切符を手にしている。

 5月30日のブルガリア戦、オーストラリア戦で招集された26名から、駒野友一(ジュビロ磐田)、東慶悟(FC東京)、工藤壮人(柏レイソル)の3選手が外れた。3人はオーストラリア戦でベンチ外だった。

 アルベルト・ザッケローニ監督は、ブラジル、イタリア、メキシコという強豪と戦うコンフェデレーションズカップを「いいテストの場」と位置付け、「世界との差を測る絶好の機会」ととらえている。「結果を約するタイプではない」と前置きしながらも、「ピッチで証明したい」と意欲をのぞかせた。

もう少しゴールに向かう姿勢が必要

――前田(遼一)や本田(圭佑)らの1トップの適性をどのように見極めているか?

 彼らのパフェーマンスには満足している。得点を挙げられているのは彼らの役割が大きい。ハーフナー(・マイク)は多く出ていないが、前田への評価は90分間を見てあげないといけない。守備での貢献や、攻撃でもスペースを作る動き、味方が使うためにつぶれるところを見なければいけない。前田に関しては、得点を挙げてくれているし、ハーフナーに関してはわれわれのサッカーに違ったバリエーションをもたらしてくれる。

――攻守において来年までにバージョンアップしたいものは?

 チームとしてさまざまな形を持っていなければならない。昨日の試合はコンビネーションで崩す場面が多かったが、その中でもう少し手数をかけないでゴールに迫る形、またもう少し裏のスペースを有効に使う形を出していかないといけない。やはりパスサッカーというのは日本のサッカー文化で、それは非常にいいと思っているが、世界レベルのピッチに立ったときに、もう少しゴールに向かう姿勢が必要なのかと思う。ヨーロッパは日常的に(リオネル・)メッシや、クリスティアーノ・ロナウドと戦っている選手がいる。その選手たちの準備が整う前に、よりスピードを持って仕掛けるやり方もあると思う。

――「コンフェデ杯でチャレンジしたい」という選手が多いが、監督はどう考えるか?

 まずは、今朝の会見で選手が引き締まったコメントをしたことは非常に良いと思うし、志が高いと思った。しかし、志だけ高くてもダメなので、それに伴って成長しなければならない。慢心せずに、志にうぬぼれることなく、謙虚な気持ちを持ってやらないといけない。W杯で良い戦いをするためにコンフェデ杯はいいテストの場になる。現状のポジションを確認して、世界との差を測る絶好の機会。皆さんご存じのように結果を約束するタイプではないので、結果を言っても話は進まない。高い志を持っているが、結果はピッチで証明したい。

――イラク戦をどのように使うのか? 主力の起用について

 選手のコンディションを把握するところから、これから考えたい。当然イラク戦は敬意を持って戦うべきだ。ほかの国は予選をやっているし、正々堂々と戦わなければいけない。コンフェデ杯にもつながるので、しっかり勝ちたいと思う。イラク戦では考え方がいくつかあって、コンディションがいまいちな選手はきちんと上げてほしい。

――2年半メンバーを固定しているが、手応えは? また、新しい選手への期待は?
 やはり、新戦力には細心の注意を払っている。しかし、昨日のメンバーについては、これまでの戦いでもしっかりと勝ってきたということで、うまくいっていると思う。監督が考えることはどのようにすればしっかり勝てるかということで、そういう意味ではうまくいっている。それに新しい選手が入るための基礎も築けていると思う。就任した当初、よく覚えているのが、引いた相手に対してどうするのか、ということだった。ここ最近はそのような質問もなく、昨日の試合でも引いた相手にシュートまで持っていけている。あそこまで引かれても、スペースを作ってシュートまで持っていけているということは、チームが成長している象徴と言えるのではないかと思う。

<メンバー発表>

GK:
川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
西川周作(サンフレッチェ広島)
権田修一(FC東京)

DF:
今野泰幸(ガンバ大阪)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
長友佑都(インテル/イタリア)
内田篤人(シャルケ04/ドイツ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)
酒井高徳(シュツットガルト/ドイツ)

MF:
遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)
細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)
本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)
高橋秀人(FC東京)

FW:
前田遼一(ジュビロ磐田)
岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)
ハーフナー・マイク(フィテッセ/オランダ)
乾貴士(フランクフルト/ドイツ)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)

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