確固たる自信を掴んだ19歳のルーキー比嘉真美子

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昨年から続いていた絶不調で自信喪失

ツアー通算2勝目を挙げた19歳のルーキー・比嘉真美子 【写真は共同】

 2011年、女子のアマチュアゴルファーナンバーワンを決める「日本女子アマチュアゴルフ選手権大会」を高校2年で制した比嘉真美子は、翌12年にも同タイトルを手にした。宮里藍、諸見里しのぶ、宮里美香などを輩出する沖縄県出身の比嘉は、中学時代に頭角を現し、女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」では、上記の先輩たちと同じように09年、12年とベストアマチュアのタイトルも奪っている。

 その比嘉は昨年7月末に開催されたプロテストを受験。トップ合格の選手には、そのシーズンの残りの11試合の出場資格が与えられる。実績面ではトップ合格が有力視された比嘉だったが、力を出し切れずに8位タイに終わるも、一発合格でプロへの道を切り開いた。

 トップ合格を逃した比嘉は、その年の「ニトリレディス」に主催者推薦でプロデビューを果たしたが、予選落ちで初戦を終了。下部ツアーとなるステップ・アップ・ツアーの「ごうぎんDuoカード・レディース」で優勝を果たし、出場資格を掴んだ「富士通レディス」で3位タイに食い込んだ。出場試合が限りある中でシード権を掴むことはできなかったが、翌年度のツアー出場資格をかけたファイナルクオリファイでは10位に入り、13年度にツアーフル出場の資格を掴んだ。

 そして迎えた13年シーズン、地元沖縄での開幕戦を迎えた比嘉は無念の予選落ち。「実はプロテストの前から絶不調で、クオリファイも自分のゴルフが出来ませんでした。なんとか地元では結果を残したかったのですが…」と、自信を失い苦しい時期を過ごしてきた。

森田、服部らの追い上げを振り切っての勝利

 復調の兆しは4戦目の「アクサレディス」で現れた。初日に今季初の60台のスコアを出して10位タイにつけて最終的には24位タイ。すると、翌週に開催された4日間競技の「ヤマハレディース葛城」で最終日に2ストローク伸ばすと、嵐のような天候に上位がスコアを崩し、プレーオフの権利が転がり込む。その2ホール目にバーディを奪いツアー初優勝を果たした。

 この勝利で本来のプレーを取り戻したかと思われたが、その後は2週連続で予選落ちになるなど不安定なゴルフに戻ってしまった。その比嘉が先週開催された「リゾートトラストレディス」で2日目に首位タイに浮上すると、最終日もスコアを伸ばして2度目のツアー優勝を果たした。

「初優勝がまさかのプレーオフ進出で、バタバタしている中で勝てたのですが、今回は全く違う喜びです。2日目に首位に立って、自分がどれだけ緊張するかと不安でしたが、最終日はいつも通り冷静に迎えられて、今週は3日間落ち着いてプレーが出来ました」

“初勝利は勢いで勝つことができても2勝目は難しい”というプロも多い中、比嘉は堂々としたプレーで森田理香子や服部真夕の追い上げを振り切って勝利を掴んだ。その精神面と勝負どころの強さは、アマチュア時代に築いた経験から来ている。今回の勝利で確固たる自信を掴んだ19歳の新人は、これから日本ツアーを背負って立つ選手に変貌を遂げるのか。それとも、姉のように慕う宮里美香の背中を追いかけて米国ツアー挑戦を選択するのか。今は目の前の試合に集中し、米国ツアー挑戦については今季のオフに考えるつもりだ。

(文・本橋英治)
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