ザック「3−4−3も良いところあった」=国際親善試合 ブルガリア戦後会見

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ブルガリアに完敗を喫し、天を仰ぐザッケローニ監督(右)。W杯予選のオーストラリア戦に向けて不安を残す内容となった 【写真は共同】

 サッカー日本代表は30日、国際親善試合のブルガリア戦(豊田スタジアム)に臨み、0−2で敗れた。日本は前半4分にマノレフの直接FKで先制を許し、後半25分にもFKから長谷部誠がオウンゴールを献上した。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「今日良かったところ、良くなかったところを冷静に分析して仕事を進めていくだけ」と語り、次のオーストラリア戦へ冷静な姿勢を示した。また、前半にはオプションとして3−4−3のシステムを試した。それについては「それぞれのシステムで良いところはあったし、課題も大きく出た」と語り、「リズムが低い状態でプレーをしてしまうと、うちの良いところが出ない」と選手のコンディションについても言及した。

コンディションを高めないといけない

――またセットプレーから失点したが、どれくらい残念に思っているか?

 ああいった形で失点するのは好ましくない。さらに言えば、失点することは好きではない。負けるのは悔しいし、今日はフレンドリーマッチでありながら、たくさんのサポーターが詰めかけてくれていた。彼らが見守る中で良い内容の試合をできなかったのは、さらに残念に思う。結果がこうなったが、サポーターの皆さんは90分間通して応援してくれたし、試合後も熱い声援を送ってくれた。

 当然、試合の中でのゴールや結果はサッカーの一部だが、チームを成長させないといけない立場としては内容を重視していきたい。相手もそんなにチャンスを作れていないと思ったが、うちも同様に作れなかった。システムは2つを試した。ひとつはオプション(3−4−3)を試して、もうひとつは普段やったもの(4−2−3−1)だ。前後半を通して、それぞれのシステムで良いところはあったし、課題も大きく出た。その中で共通して言えることは、リズムが低い状態でプレーをしてしまうと、うちの良いところが出ないということだ。あとはゴールに向かうパスの供給率が少なかったようにも思う。

――攻撃はリズムが低いと良い形が作れないということだが、代表が集まってからの最初の試合がいつもこんな感じになってしまう原因は?(田村修一/フリーランス)

 まず全体的なコンディションを高めないといけない。それが(できていないことが)要因ではないか。それが数人の選手に見られる。あと何日かあるので、高めていかないといけない。

システムでチームの動きが大きく変わるものではない

――1年半ぶりの3−4−3で、相手がオーストラリアと違った戦い方をしてきたが、収穫は?(大住良之/フリーランス)

 今日の試合は前後半でシステムを変えたが、チームの動き的にそんなに大きく変わるものではない。前後半ともボールを持った時の判断力が、少し遅れてしまったように思う。3バックにしても4バックにしても、守備のところで今日は良いところが見えたと思う。ただし攻撃はうまくいかなかったが、やはり対戦相手のことも考慮しないといけない。フィジカルが強く、高さや体の厚み、スピードも兼ね備えていて、そういった選手たちがブロックを作って守ってきたこともそうだ。

 やはり、こうして相手が引いてきてスペースが消えてしまうと、もっと仕掛ける必要があった。過去にも、今日以上に引いてくる相手とも対戦したが、その中でもオフザボールの動きをより多くできれば、より多くのチャンスがついてきただろうし、スペースを引き出すことができたと思う。前日会見でも言ったが、ブルガリアは非常に良いチームだという印象を受けた。ワールドカップ(W杯)予選で結果が付いているのも頷ける。

――リズムが低調ということだが、最後にオフサイドになった長友(佑都)のプレーのように、リズムが良かったと思えるプレーは2つか3つしか出なかった。日本は組織プレーがベースにあって、乾(貴士 )や香川(真司)が生きると思うのだが、その点についてコメントを(湯浅健二/フリーランス)

 まず日本は、これまでの戦い方というものが合っていると思う。やはり(今日のような相手は)体でぶつかり合っても不利なので、コンビネーションを出していく、オフザボールの動きを出す、相手をより多くとばすような縦のパスを供給すべきではないか。また、スペースにボールを運ぶことで、相手に的を絞らせないようにマークを外す動きを多く出すことができると思う。わたしが思うに、香川、乾、岡崎慎司といった選手は、足元や背負って(ボールを)受けるのでなく、前を向いてスペースに走りながら受けるところで、彼らの良さが出ると思う。今日も香川、乾、長友、清武弘嗣あたりが、スペースで動きながらボールを受けるところで良いところが出たと思う。

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