ザック監督「インテンシティーが必要」=ブルガリア戦、豪州戦メンバー発表会見

スポーツナビ

継続した成長を見せてほしい

ザッケローニ監督は本田や香川ら代表の主力の現状と、彼らへの期待を語った 【スポーツナビ】

――新しく招集した工藤と東の招集理由は? また、東はチームではトップ下だが、代表ではどこで使うつもりか?

ザッケローニ監督 これまでも言っているが、若くて成長を続けている選手には注目している。同時に代表に呼ばれても常連として定着するわけではないので、継続したさらなる成長を見せてほしいと思っている。この2人に関しては、3年前に監督に就任してからこれまでに良い成長を見せてくれたし、今後も期待している。東に関しては、ユーティリティープレーヤーなので、トップ下やセカンドトップ、そしてサイドができると思う。しかし、これまでを見ると大宮(アルディージャ)でやっていたセカンドトップや、今のトップ下が彼のポジションだろう。ここで強調したいのは、現在の彼の年齢とレベルを照らしわせると良いレベルにはいる。しかし、代表に定着するほどの実力はまではついていないということ。


――ヨルダン戦はセットプレーでやられたが、オーストラリア戦でのセットプレー対策は?

ザッケローニ監督 オーストラリアは空中戦での強さ、フィジカルの強さを押し出してくるはずなので、しっかりと対策したい。そして、相手の良さを消しつつ、自分たちの特徴と良さを出していきたい。


――インテンシティーは切り替えの早さや運動量だと思うが、詳しく教えてほしい?

ザッケローニ監督 切り替えというのはあくまでも試合の中での局面的なものでしかないので、そういう意味ではない。オンのときでもオフのときでも活動的になることがインテンシティーの意味。例えば、自分たちがボールを持っていないときには、相手のボールホルダーに対してアプローチに行く。そしてそのアプローチに後ろの選手が連動して動く。というように、すぐにアプローチできるような準備を進めていくこと。逆にボールを持っているときは足下だけでつなぐのではなく、スペースにボールを出す、走りながら素早くボールを進めていくというような活動的になることも含んでいる。

コンディションは手元で確認したい

――本田のけがの状況はどのくらい把握しているか?

ザッケローニ監督 順調に回復しているし、現時点では完治していないと聞いている。どのようなコンディションで選手が合流するのか興味はあると言ったが、これから国内外で試合もあるので、現時点ではどのような状況で選手が来るのか把握しきれない部分がある。


――海外組には合宿までにどのような調整をして合流してほしい?

ザッケローニ監督 まずは2、3日はゆっくり休んでほしい。その後は所属していたクラブや代表のスタッフとともにコンディションを整えてほしい。


――長友の状態はどうとらえている? また、期待することは?

ザッケローニ監督 まずは、2試合フル出場しているのは良いニュース。それ以前の期間にチームを離れていたので、コンディションは分からないが、手元で確認したいと思う。少なくとも痛みがないのはポジティブなニュースだ。

――ブルガリアに対する印象は? また、どういう部分でインテンシティーを発揮してほしいか?

ザッケローニ監督 ブルガリアの印象は、1994年のW杯でもベスト4に駒を進めており、当時は良い選手がいた印象を持っている。それに、ここにきてチームを立て直しており、今のチームにも良い選手がそろっている。W杯欧州予選でもイタリアに続いて、2位をキープしているフィジカルと技術のバランスが取れたチーム。それに、守備からカウンターで決めるという印象だ。

 インテンシティーについては、自分たちのコンディションもあると思うので、コンディションも試合に合わせていきたい。それに、この試合に向けてチームとして高い集中を保って臨みたいと思う。

香川は良い経験をしている

――本田はコンディションに不安があるが、招集を決断した理由と期待は?

ザッケローニ監督 招集の理由は、けがからの時間を考慮した上で、6月4日の前には完治すると判断した。彼のコンディションがどこにあるのかも踏まえて、最終的なメンバーを決めていかないといけない。そういった背景もあって今回、東が26名の中に入っている。


――長友が手術をせずに復帰したが、アドバイスは送った?

ザッケローニ監督 長友とは一度も話していない。それぞれの仕事の役割を尊重している。チームのドクターやメディカルチームが、長友に助言を送るのが仕事のやり方だと思う。なので監督としては、何も話していない。

――香川のこの1年の成長をどう考えているか?

ザッケローニ監督 ドルトムントのときもそうだが、香川は優勝して日本に帰ってくることに慣れている。近年でのタイトルの数も素晴らしい。しかし、ここで満足せずに、これからも貪欲にタイトルを狙ってほしい。なので、香川に期待することはわれわれの目標のためにチームに貢献してほしい。新しい環境、監督、チームメートとやってきた1シーズンなので、選手としてまた成長している。香川が身を置いてきた環境は、欧州の中でも素晴らしい監督がいるところなので、良い経験をしている。

――インテンシティーという言葉は世界のサッカーの主流を見て考えたのか?

ザッケローニ監督 インテンシティーに関しては、今までの自分たちの戦い方を振り返っても、これがピッチに表れているときに、チームの良さが出ている事実があるので続けていきたい。


――今夜の藤田俊哉の引退試合で日本代表OBがそろうが、現役の代表選手が得てきてほしいものは?

ザッケローニ監督 そのような代表チームで活躍した選手に共通して言えるのは、日々向上心を持って、自分の中に限界を作らずに努力をしてきたことだ。なので、そういったことは今の選手に伝えてほしいし、年齢に関係なくそういった思いを持っていることはサッカーの世界で大切だと思う。あと、サッカーができる幸せと、サッカーを仕事にできる素晴らしさを伝えてほしい。

<了>

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