篠塚和典が魅了された素顔の長嶋茂雄「私もミスターの1ファンだった」

構成:スポーツナビ

「ミスターに畏敬の念があって、雲の上の存在」と話す篠塚氏。その特別な思いを語ってくれた 【スポーツナビ】

 ミスターこと、長嶋茂雄・巨人終身名誉監督が5月5日、松井秀喜氏とともに国民栄誉賞を授与される。ファンを愛し、ファンに愛された偉大な野球選手の待望の晴れ舞台に、国民が大きな関心を寄せている。
 スポーツナビでは、長嶋氏を師匠と仰いでいる篠塚和典氏に、その魅力や秘話、そして隠れた素顔についてインタビューした。篠塚氏は長嶋氏に見込まれプロ野球入り、選手、コーチとして、苦楽を共にするなど、30年来の付き合いを続けている。

ミスターが「白と言えば白、黒と言えば黒」

――篠塚さんにとって長嶋さんはどんな人ですか?

「私にとって、ミスターが『白と言えば白、黒と言えば黒』という方でした。雲の上の人であり、私に限らず野球をやっている人間誰にとってもあこがれの人です。また、ミスターと同じ千葉県出身者としても特別な思いがあります。
 そういう意味で私はミスターの“いちファン”だったと言えるかもしれませんね。同じベンチに座り、同じグラウンドにいられるってことで本当に十分でしたね。本当にミスターがいるから、いまここに自分がいると思っています」

――長嶋さんと初対面した時の印象はどうでしたか?

「初めて会ったのはドラフト指名のあいさつの時です。ただ、実はお会いした時、圧倒的な存在感に呆然としてしまい、まったく覚えていないんです。それでも、目が、瞳がグリーンだったのが印象的でした。あまりにそのグリーンの瞳が印象的で見とれてしまいました。
 テレビの中でしか見ていないミスターと同じユニホームを着て同じグラウンドに立つことができると思うと感慨深かったし、また不安でもありました。でも、『2〜3年はファームで鍛えるから』とミスターから言葉をもらって、とても安心したということを覚えています」

――長嶋さんの前では緊張されるのですね。

「私の場合、ミスターを正視できないんです。畏敬の念があって、自ら進んで話しかけに行くこともできない。
 ただ、1980年のミスターの監督解任の報を聞いた時は、私から電話しました。伊東キャンプをやって、1年間シーズンを過ごし、やっとV9以降の基盤というか、次の年から勝負ができるって時での解任だったので、悲しかったですね。どうしてもミスターを胴上げしてあげたかったという気持ちが強く、『自分も(長嶋さんといっしょに)辞めます』なんてことも言いましたね。怒られましたが(笑)」

――今でも長嶋さんに直接お会いになると緊張しますか?

「そうですね。背筋がピンと伸びますね。微動だにできなくなります。ただ、今は会話をするというよりも、球場にいらっしゃればあいさつをする程度ですね」

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