東浜、鍵谷去った東都にそろうドラフト上位候補=島袋だけじゃない「珠玉の投手戦」演じる好投手たち
知名度ナンバーワンの島袋、今季完全復活なるか
今季、左肘痛から完全復活を目指す中大・島袋 【撮影:高木遊】
日本の大学球界をけん引し、古くから「人気の六大学、実力の東都」と呼ばれ、黒田博樹(専修大出身、現ヤンキース)を筆頭に今季開幕投手を務めた武田勝(立正大出身、現北海道日本ハム)、館山昌平(日本大出身、現東京ヤクルト)やWBC日本代表の澤村拓一(中央大出身、現巨人)らそうそうたる面々が、このマウンドで味わった喜びや悔しさを胸に今もプロの世界で活躍している。
そんな東都大学野球において現在、知名度ナンバーワンとなるのは甲子園春夏連覇左腕の中央大3年・島袋洋奨(興南高)だ。昨季は左肘痛から思ったような投球ができず、今季は完全復活を目指している。「仕上がってるとはいえない」という状態ながら、社会人(NTT東日本)相手に5者連続三振を奪い、大学生(慶應義塾大)相手にバットを連続でへし折るなど球威は充分。まだフォームや球にバラツキがあるが、甲子園を制したような調整能力で春季リーグには万全の状態になると期待したい。
しかし、島袋にも勝るとも劣らない、レベルの高い投手が東都大学野球には存在する。ここで今秋ドラフトの上位候補と言われる4年生エースを紹介したい。
東浜からエースの座を引き継いだ亜大・九里
東浜のあと、亜大のエースを引き継ぐ九里 【撮影:高木遊】
その体格(186センチ・82キロ)や気合い溢れる投球スタイルから“剛”のイメージが似合う。過去3年間の通算成績は21試合を投げ8勝4敗。昨秋はチームの先輩・東浜や中央大の鍵谷陽平(北海道日本ハム)ら並みいる好投手を抑え、堂々の防御率1位を記録(0.70)。敢闘賞も受賞し、春秋連覇に大きく貢献した。
試合では「マウンドに上がれば1対9のケンカをするつもり」で向かっていき、投げ込みにおいては練習熱心な東浜をして「自分が終わるまで九里は投球練習を止めなくて、うっとうしかった(笑)」とこぼさせるほどの、負けん気の強さは魅力的。亜細亜大の4季連続優勝にこの男の活躍は不可欠だ。