ダルビッシュ、26打者完全試合ドキュメント=あとアウト1つ…9回2アウトまでパーフェクト
初登板のダルビッシュは8回2/3、111球を投げ、1安打無失点、奪三振数は自己最多「14」。今季の初先発を最高の投球で飾り1勝目を挙げた。
試合は先制点、ダメ押しと効果的に得点を挙げたレンジャーズが7対0で大勝。チームとしても今季初勝利を飾った。
威力抜群のカットボール、スライダーで相手打線を翻弄
「やっぱり、あそこまで行ったら最後までアウトを取りたかったですよね。でも、まあ、今まで完全試合をやってきたピッチャーに比べて、まだ何か足りなかったんでしょう」
完全試合を逃した瞬間は思わず苦笑いを浮かべるしかなかったダルビッシュだったが、試合後のインタビューではさばさばとした表情。そして、いい思い出になりましたよ、と気落ちした様子もなく笑顔を交えて答えた。
この試合、とにかくスライダーが勝負どころで面白いように決まった。自己最多を更新する14の奪三振のうち、実に12個がスライダーによる三振。序盤こそフルカウントにしてしまう投球も目立ったが、この苦しい場面をことごとく立ち切ったのがスライダーだった。「3ボール2ストライクになってもスライダーを振ってくれたのが良かった」と、本人も振り返ったとおりだ。
そして、この日の投球でダルビッシュ自身が一番良かったと語ったのが、カットボール。「きょうはフォーシームをほとんど投げていないんですが、カットボールに球威がありましたね。それが良かったんだと思います」。この威力抜群のカットボールでどんどん打者を追い込み、最後は切れ味最上級のスライダーでアストロズ打線をキリキリ舞い。そのあまりにも見事な投球術に、ベンチに引きあげるたびに沸き起こっていた敵地のブーイングも、最後には拍手と大歓声に変わっていた。
今季初登板、エースとしての存在感をアピール
「チームの1勝目ですが、こういう積み重ねが大事だと思います。今後どんどん勝っていきたいですね。自分としてはケガなく1シーズン投げられるように、しっかりと体調管理をしていきたいと思います」
エースとしての存在感を十分すぎるくらいにアピールした今季初登板。チームとしては打線弱化もささやかれる中、ダルビッシュが頼れる『投の大黒柱』としてチームを2年ぶりの地区V奪回へと引っ張っていく。