スナイデル「長友とはいつも一緒にいた」=かつての同僚やR・マドリー戦への思い

古巣との対戦に燃えるスナイデル。レアル・マドリー戦ではいかにして攻撃のタクトを振るうのか 【Getty Images】

 1月20日、マンチェスター・ユナイテッドなど複数の移籍先がうわさされたウェズレイ・スナイデルがイタリアを後にし、新天地へと旅立った。2009−10シーズンにインテルの3冠達成に絶大な貢献を果たした英雄も、相次ぐ監督の交代や度重なったけが、そして契約問題がこじれた影響もあり、在籍終盤は出場機会を失っていた。そんな天才的司令塔が求めた次なる活躍の場はトルコの強豪・ガラタサライ。スナイデルのほかにも冬の移籍市場でディディエ・ドログバを獲得し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で準々決勝に進出するなど、ヨーロッパの舞台でも競争力を急速に高めている。

 スナイデルはガラタサライ移籍に関して「幸運なことにすべてがうまくいき、素晴らしいチームと選手たち、監督とともにCLの準々決勝でプレーする機会を得ることができている」と満足感を示している。そんなスナイデルの前に立ちはだかる相手は、クリスティアーノ・ロナウドら世界的名手を擁し、CL最多優勝回数を誇るレアル・マドリー。かつて自身も在籍した古巣であり、そしてインテル3冠の喜びを分かち合った恩師、ジョゼ・モリーニョが指揮するクラブだ。

 この一戦についてスナイデルは「レアル・マドリーとの対戦は特別なモチベーションが沸く」と興奮を隠せない。この一戦に懸ける意気込み、モリーニョとの再会、インテル時代に同僚だった長友佑都との思い出について、スナイデルが語ってくれた。

「レアル・マドリーとの対戦ほど素敵な挑戦はない」

――間もなくガラタサライはレアル・マドリーとのCL準々決勝を迎える。チームを取り巻く期待感は大きい? 勝ち抜けの可能性はどれくらいあると見ている?

 もちろん本命はレアル・マドリーだ。でも、だからといって彼らが簡単に勝ち進めると言いたいわけではない。CLではどんなライバルとの対戦においても準備を整えて挑まなければならないからね。とはいえ、かなりの強敵と当たってしまったことは確かだ。プレーの観点から言えばかなり厳しいと言わざるを得ないけど、精神的な観点から言えばこれほど素敵な挑戦はない。自分たちには相手を大いに苦しめられるだけの要素があると思っているよ。

――第1レグ、第2レグともに重要性は50パーセントずつだととらえている? それとも3日にサンティアゴ・ベルナベウ(レアル・マドリーの本拠地)で臨む第1レグが決定的な一戦になると思っている?

 第1レグで勝負が決まることなんて滅多(めった)にないよ。それは(ガラタサライに敗れた)シャルケの選手たちが痛感したことじゃないかな。トルコでの第1レグを終えた時点では、彼らの勝ち抜けは決まったものだと言われていたからね。試合は戦ってみなければ分からないものだ。一方で、もし自分たちがベルナベウから良い結果を持ち帰ることができたら、ファンの後押しを受けられるホームの第2レグでCLの歴史に名を刻むこともできると思っているよ。簡単なことではないけどね。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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