フェラーリ代表が語る小林可夢偉=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第3回
ドメニカリ代表をマレーシアで直撃
可夢偉(左)と握手するドメニカリ代表(右)。来季ドライバーとして採用する可能性については否定した 【Ferrari】
で、ドメニカリ代表にいきなり小林のことを尋ねた。疑問に思っていたことは、小林は今年AFコルセというフェラーリのマシンを使うプライベートチームからWEC(世界耐久選手権)に参戦することが決まったのに、小林の契約はフェラーリからの発表だったこと。つまり、小林はAFコルセではなくフェラーリと契約したという点だ。フェラーリから、あるいはAFコルセから発表されたプレスリリースには、ドメニカリ代表と小林が握手している写真まで掲載されていた。ドメニカリ代表はフェラーリF1の責任者。AFコルセと小林の契約であれば、AFコルセの代表が小林と契約をかわすのが普通ではないか、と考えるのが普通だろう。そこで、その疑問点をドメニカリ代表に尋ねた。答えは次のようなものだった。
「小林はフェラーリとの契約です。そして、フェラーリのドライバーとしてAFコルセに送り込んだのです。ただ、はっきりしておいてほしいのは、F1に乗るという契約はかわしていないということです」
AFコルセのドライバーは、フェラーリとの契約
ドメニカリは、小林との契約は彼のマネジャーであるマリオ宮川との間で以前から話し合っていたという。
「もちろん、宮川は小林をフェラーリF1に乗せたかったと思う。われわれは宮川とは以前から知り合いで、彼は小林のマネジメントを援助し始めてすぐにF1ドライブのチャンスはないかとコンタクトを取ってきました。残念ながらわれわれは素晴らしいふたりのドライバーを擁しており、小林をそのラインアップに入れることはできないと返事をしたのです」