ジェンティルドンナ、世界の舞台で価値ある2着=合田直弘のドバイミーティング回顧

JRA-VAN

2着健闘! 今後が楽しみなジェンティルドンナ

ドバイシーマクラシック、初のアウェーで2着と健闘したジェンティルドンナ(中央)。右は、1着のセントニコラスアビー 【写真は共同】

 この路線のG1を2つ制している他、一昨年のG1凱旋門賞(芝2400m)2着の実績のある、レーティング第3位(122)の仏国調教馬シャレータ(牝5)が先行。一昨年のG1BCターフ(芝12F)を含めてG1で4勝の実績を挙げている、レーティング第2位(124)の愛国調教馬セントニコラスアビー(牡6)が2番手を追走。そして、牝馬3冠達成に加えてG1ジャパンC(芝2400m)優勝の実力が評価され、堂々レーティング第1位での出走となったジェンティルドンナ(牝4)が3番手を追走する展開となった。

 半マイル(4F)通過50秒71、6F通過1分15秒47という緩やかな流れとなった中、直線入り口でセントニコラスアビーがシャレータをかわして先頭へ。遅れずについて行ったのがジェンティルドンナで、直線は2頭の一騎打ちとなった。しかし、残り100m付近からジェンティルドンナの脚が上がらなくなり、セントニコラスアビーが優勝。スローだった前半とは一変、後半はペースが上がり、勝ち時計は2分27秒70のトラックレコードとなった。
 2馬身1/4差の2着がジェンティルドンナで、逃げたシャレータは6着に敗退。前半は好位で競馬をしたトレイルブレイザー(牡6)は、後半失速して11着に終わっている。

 8番枠からスタートし、終始外目を回らされる厳しい展開となったことが、ジェンティルドンナの敗因と見られる。しかし、初めてのアウェーで世界の強豪を相手にしての2着は立派な成績で、ここで遠征経験を積んだ同馬の秋の凱旋門賞参戦が、ますます楽しみになったと言えそうである。

タペタを攻略したアニマルキングダム

<ドバイワールドカップ(AW2000m)>

 昨年のこのレースの勝ち馬で、出走予定馬の中でレーティング最上位(126)だったモンテロッソ(牡6)が、レース当日の朝に左前ハ行のため出走を取り消し、12頭立てとなった。

 代わってレーティング最上位(125)となった、北米からの遠征馬ロイヤルデルタ(牝5)が好スタートからハナを切り、同じく北米からの遠征馬で、レーティング第3位(124)のアニマルキングダム(牡5)が直後を追走する展開となった。
 4コーナー手前で早くもロイヤルデルタをかわしたアニマルキングダムが先頭で直線へ。そのまま後続の追撃を封じこめ、2馬身差の完勝を演じた。昨年暮れにG1香港ヴァーズ(芝2400m)を制している英国調教馬レッドカドー(セン7)が、後方から追い込み2着に食い込んでいる。
 一方、逃げたロイヤルデルタは終盤急激に失速して10着に大敗。半マイル通過が50秒02と決して無謀なペースで逃げていたわけではなく、調子も最高と伝えられていただけに、「タペタ」というブランドのオールウェザートラックへの適性がなかったことが、敗因と見て良さそうだ。

 勝ったアニマルキングダムは、北米産の北米調教馬で、3歳時にG1ケンタッキーダービー(ダート10F)を制している強豪だ。昨年もドバイ遠征を計画していたが、故障で断念。復帰戦となった昨年秋のG1BCマイル(芝8F)で2着となって能力の高さをあらためて実証した後、今季初戦となったG1ガルフストリームターフH(芝9F)で2着となって、ここへ臨んでいた。

 ロイヤルデルタだけでなく、北米のオールウェザーでG13勝の実績を誇るデュラハン(牡4)も11着に大敗した中、タペタを難なくハンドリングしたアニマルキングダムの多才さが光った一戦だった。

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