27で連勝ストップも続くヒートの挑戦=NBA連覇達成で再燃する伝説との比較
6月への影響が懸念される3月の激戦の日々
「イースタン・カンファレンスの第1シードの座を決定づけているにも関わらず、記録のおかげでヒートは毎試合に通常以上のエネルギーを費やしている。3月に過度の力をつぎ込むことは、6月(※NBAファイナルが行なわれる月)に影響するかもしれない」というスポーツ・イラストレイテッド誌のフィル・テイラー記者の指摘を完全に無視するわけにはいかないだろう。
実際にヒートはほぼ毎試合で圧勝していたわけではなく、27戦中14戦でハーフタイムの時点で同点か、あるいはリードを奪われていた。17点差を逆転した3月18日のボストン・セルティックス戦、27点のビハインドを引っくり返した3月20日のクリーブランド・キャバリアーズ戦などを始め、後半に一気にペースを上げるのが彼らの勝ちパターンとなっていた感がある。
この27戦でレブロンは平均27.0得点、FG成功率57.5%、8.1リバウンド、8.0アシスト、1.9スティールと大爆発。第2エースのドウェイン・ウェイドも平均22.8得点、FG成功率53.6%と好調だった。
しかしその一方で、この2人の平均プレー時間がファイナル制覇を果たした昨季以上であることも見逃せない。特にレブロンは、3月18日以降の6試合中5戦で39分以上の長時間をプレーしている。
3月とは、本来なら優勝を狙うチームがプレーオフに向けて体調を整え始めるはずの時期。その3月に毎晩のように闘志剥き出しの相手と激しいゲームを続けたことは、後に響かないだろうか……?
あくまでヒートの目標はファイナル連覇
レブロン、ウェイド、クリス・ボッシュの“ビッグ3”がマイアミの地に集結してから、今季が3シーズン目。3人は互いのことをもう十分に知り尽くし、同時にウェイド以外の2人はフィジカル面でもピークに達した。心身の充実に、徐々に熟成されたケミストリーが重なり、今季後半のヒートは実にビューティフルなバスケットボールを展開してきた。
「このようなチームでプレーできることを当たり前のように考えたりはしないよ。僕たちにとっての“歴史的快進撃”はあくまで優勝を勝ち取ることで、それによって名前を残したい。ただ、その過程でさらに何か特別なことを成し遂げられるとすれば、それもまたエキサイティングだね」
連勝中にレブロンが残したそんなセリフからも、現在のヒートでプレーすることの喜び、楽しさが伝わってくる。
最近になって、2012〜13年のヒートを71〜72年のレイカーズ、あるいはマイケル・ジョーダンを擁してシーズン72勝を挙げた95〜96年のブルズといった歴史に残るチームと比べる声も徐々に飛び出し始めていた。
そんな話は、現実的にはまだ時期尚早。しかし、今季プレーオフの結果次第ではこの比較はより本格的なものに成り得るのだろう。
新記録は達成できなかったが、ヒートが成し遂げた史上2位の27連勝も長く語り継がれる偉業に違いない。さらにそれだけで終わらず、同じシーズンにプレーオフでも勝ち抜き、ファイナル連覇を果たせば……。
連勝記録への挑戦が終わっても、“歴史との戦い”は継続中――。コンディションへの懐疑論を吹き飛ばし、2年連続優勝を飾るべく、レブロンとヒートにとっての再出発を告げるティップオフの笛が聞こえてくる。
<了>