27で連勝ストップも続くヒートの挑戦=NBA連覇達成で再燃する伝説との比較

杉浦大介

敗れるも強さ際立ったヒートの27連勝

連勝が27でストップし、尻もちをつきながら、苦悶(くもん)の表情を浮かべるレブロン 【Getty Images】

 永遠に続くかと思えたマイアミ・ヒートの連勝記録は、3月27日(日本時間28日)にシカゴの地で終わりを告げた。
 27連勝中の昨季NBA王者を相手に、この日のシカゴ・ブルズの選手たちは前半から気迫に満ちたプレーを展開。ヒートも32得点を挙げた大黒柱レブロン・ジェームズを中心に反撃するが、相手の固いディフェンスの前に流れをつかむことができない。ブルズが101−97で逃げ切り、勝利を飾った瞬間、レブロンとヒートの“歴史との戦い”は終焉(しゅうえん)した。

 しかし、まるでプレーオフのように白熱したこの日のゲームを見て、NBA史上2位となったヒートの27連勝がいかに大変なレコードだったということに改めて気付いたファンも多かったのではないか。

 デリック・ローズ、ジョアキム・ノアといった主力を欠いたとはいえ、ブルズは地元の大声援を糧に総力を挙げて臨んできた。ルオル・デンが多くのビッグショットを決めるなど、チーム全体が素晴らしいプレーを見せた。
 それでも、ヒートとの最終的な点差はわずか4点。負けて、なお強し。全チームからターゲット扱いされ、闘志を剥き出しに向かってくる相手を撃破し続けたヒートの27連勝は、紛れもなく歴史に刻まれてしかるべき大記録だった。

レイカーズの記録越えも期待された快進撃

 2月3日のトロント・ラプターズ戦で勝利したのを皮切りに、ヒートの連勝記録は結局2カ月近くに渡って続いたことになる。

 3月18日のボストン・セルティックス戦に勝って23連勝となった時点で、NBA史上単独2位に浮上。この勢いなら、ウィルト・チェンバレン、ジェリー・ウエストといった伝説的名選手を擁したロサンゼルス・レイカーズが1971〜72年に達成した33連勝にも届くのではないか? 前人未到と思われた記録に1歩ずつ迫ったヒートの快進撃は、熱心なNBAファン以外の人々の興味をも惹(ひ)き付けていった。

「僕たちの目標はあくまで優勝だ。ただ、自分たちが特別な時間の中にいることを否定するつもりはないよ」

 20連勝を越えたあたりからレブロンもそんな発言を繰り返し、控えめながらも新記録への色気を隠さなかった。

 例年3月と言えば、プレーオフ出場の座を巡った争いの趨勢(すうせい)もそろそろ見え始め、NBAのニュースがやや乏しくなる時期。しかし、今季はヒートが興味深い話題を提供してくれて、彼らが登場する全試合が必見のゲームとなった。初春に全米のファンを存分に楽しませてくれた昨季王者は、現代のNBAを代表するチームであることを改めて印象づけたと言っていい。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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