ソチ五輪へ、あらためて考える「質」の大切さ 真央、ヨナ、コストナーが持つ高い基礎力
基礎力の高さを魅せた浅田(写真)ら世界フィギュアのトップ3。勝負の鍵は大技成功の可否だけではない 【坂本清】
ベテランに軍配 高い演技構成点
安定感ある演技で世界フィギュア優勝を飾ったキム・ヨナ 【坂本清】
このベテラン3人は個性は違えども、実力としては拮抗(きっこう)している。練習、戦略、ピーキングによってメダルの色は、ソチ五輪当日まで予想がつかないだろう。キムは「ブランクがあるので必死に練習してきた。ミスなく演技することを心掛けた」、コストナーは「スケートは私の人生の一部。来季を集大成にしたい」、浅田は「この3年間の練習がやっと身についてきた。まだまだ成長できる」とそれぞれ意欲を語る。
持ち味発揮した若手 李、ゴールド、村上
可憐な演技で、観客を魅了した李子君 【坂本清】
ゴールドは昨季からパワー全開の新星。バネのある筋肉と、スピードあふれる滑り、そして男子のように雄大なジャンプ。フィギュアスケートのスポーツ的な魅力を持ち合わせている。またダイナミック系の選手に陥りがちな“雑さ”がなく、四肢を綺麗に伸ばした美しさも加わる。総合6位で、五輪のメダル圏内まで上がり、「ジャッジに好印象を与えられる結果を出せてうれしいです」と来季への自信を見せた。
18歳の村上佳菜子(中京大中京高)も大健闘。ショート、フリーともに大きなミスがなく演技をまとめた。今季は「心の面が大きく成長した」と言い、演技中に崩れることな最後まで集中力を持たせられるようになった。課題の表現面は、コンテンポラリーダンサーの指導のもと飛躍のきっかけをつかみつつある。総合4位に食い込み、世界トップスケーターの仲間入りを果たした。鈴木明子(邦和スポーツランド)は、世界選手権ではピークが合わず12位と苦しんだが、2012年銅メダリストの実力者。「今回は気持ちを強く持っていかなけった。あと1シーズンと決めているのでしっかり取り組みたい」と誓う。