スポーツが復興支援で果たす2つの役割=白井耀氏が提言するスポーツのチカラとは
復興支援の鍵となるスポーツの発信力と求心力
僕は選手ではありませんが、平和的な環境や金銭的な環境、そしてそれを許してくれる周りからの支援など、スポーツのできる環境があるありがたさを感じているアスリートも多いのではないかと思うんです。それはもちろん、忘れてはいけないだことだと思います。
ファンはもっと「自分たちの応援している選手なんだ」「自分たちの町の選手なんだ」と思ってもらいたいですね。テレビを見ながらの応援も良いですが、例えば球場に足を運ぶ、ファンのイベントに足を運ぶ、何かものを買うとか寄付をするとかすれば、そのお金が選手にいくわけですよね。アスリートたちがもっと活躍するために、自分たちはただ応援するだけでなく何ができるのかをもう少し考えられると、もっと良いスパイラルに入っていけるのではないでしょうか。
――では、最後にあらためてお伺いします。スポーツにできる復興支援の形とは何でしょうか?
スポーツには発信力と求心力があると思うんです。(震災を)風化させずにまだまだ支援が必要なんだと訴え続けること、そのために気持ちを一つにすること。その2つがスポーツの役る割、スポーツができ本当の支援なんじゃないかなと思います。
<了>
■白井耀(しらいあきら)氏 プロフィール
1989年、早稲田大学政治経済学部卒業。テレビ番組デイレクターを経て、CS放送会社にてスポーツ番組などの編成や放映権交渉などを担当。2000年株式会社サニーサイドアップに入社。中田英寿ら所属アスリート関連のコンテンツ企画制作を中心にスポーツマーケティングに携わる。10年から(一財)東京マラソン財団のマーケティング本部長として、東京マラソンのチャリティ制度の導入や参加者の会員組織化、ライセンス事業など基盤作りに取り組んだ。現在、(公財)東京都スポーツ文化事業団などが中心となるスポーツ推進プロジェクト「スポーツのチカラ Project」のチーフプロデューサーとして活動している。