大鵬の孫が初代タイガーマスク率いる掣圏真陰流で初稽古

(C)リアルジャパン

「将来は武道の選手としてUFCに打って出ていきたい」

納谷について、「将来は武士道の選手としてUFCで戦ってもらう」と語った佐山総監 【(C)リアルジャパン】

以下は初稽古コメント

■佐山サトル総監「本人の殻を開けてあげるのが私たちの役目」

 本人は今、緊張していますけど、凄く素直な子です。やはり相撲という厳しい世界の影響だと思いますけど、そういうところで培った礼儀作法や道というものを追求していく意味をよく知っていると思います。ただし、それはまだ殻にこもっています。ですから、その殻を開けてあげるのが私たちの役目だと思っています。必ず世界チャンピオンになれるように、掣圏真陰流の技術を駆使してやっていきたいと思います。必ず世界チャンピオンにします。皆さん、期待をかけて、本人を温かく見守ってください。

■納谷幸男 「最後までやり切ることが目標」

 自分にとってみては、まだやらせていただいて間もないですし、このような場で喋らせていただいているのは本当におこがましいことで。本当に実力もないですし、このような場で喋らせていただけるというのは自分にとっても想像できないことなので。これから佐山先生の下で修行させていただけるということで、本当に素人なので強くなるのか、ならないのかは自分でも自信がないですが、最後までやり切るということが自分の目標なので。自分のできるところまで、最後までやり通したいなと思っています。

■佐山サトル総監 「将来は必ず世界でやれると信じている」

(納谷の言葉を受けて)
 これから納谷君が何をやっていくのかをお伝えしたいと思います。私は格闘技を創ってきましたが、この20年間は武道のことを追求してきました。そして、格闘技を封印してきました。武道を創ることとプロレスをやってきましたけども、納谷君に入っていただくのは武道の方です。その武道の選手としてUFCに打って出ていきたいと思います。その武道とは何か? 礼儀作法とか、精神的な部分を非常に大切にしたものです。

 もう1つ、ここには我々の思想があります。金髪にしない。ピアスをしない。タトゥーを入れない。礼儀作法をしっかりさせる。これは武道ですから、武士道であります。総合格闘技や他の格闘技で行われているような、少しグレーかかったような、ブラックかかったような試合ではなく、まっさらな白い試合をするということです。それが一番重要だと思っていますので。

 そして、武道というのは人を育てることです。ルールがないような形で殻を破るのではなくて、仁義礼智信というものを背負った形で殻を破って、世界に出て行く。これを将来、納谷君はやってくれる…いや、必ずやります。納谷君だけではなくて、本郷にある本部道場では武道の選手を募集していきます。1カ月後には寮もできます。そこで佐山武道を体験して、やれる選手はUFCやロシアの試合にどんどん出て行っても結構。

 ただし武道の世界から始めるということをわかってください。こういうところに納谷君は入ってきたということです。世界中のお父さんお母さんにも自信を持って薦められる武道ですので。納谷君は最後までやり切ると言いましたけど、みんなの夢のためにもやり切ってもらいたいなと。今日は初日のトレーニングですから厳しいことはしませんけど、まず礼儀作法の方からしてもらいたいと思います。そういう姿勢の武道でございます。

「尊敬しているのお祖父ちゃんであり、佐山先生」

■質疑応答
――相撲ではなくここで修行したいと思うようになったキッカケは?

納谷 父と佐山先生が知り合いで、佐山先生の話を直に伺った時に、自分もここでやりたいなと思って。

――これまでの格闘技歴は?

納谷 やっているうちに入るのかはわからないんですけど、キックボクシングを本当にちょっとやっていました。

佐山 藤原先生のところでやっていました。あと相撲は2年間やっています。

――格闘技自体は好きだった?

納谷 そうですね。格闘技もそうですし、家が相撲部屋だったんで、そういうことに触れあう機会が凄く多くって、関心は常に持っていました。

――K−1やPRIDEのテレビ中継は見ていた?

納谷 見てました。全般的に見ていて、BSで深夜にやっている格闘技も見たりしてました。

――佐山先生から見た納谷さんの素質は?

佐山 練習はまだ見ていません。藤原先生から聞いていることもあります。どっち構えなのか? そして何より性格が一番ですね。素直なのか? 僕はこの20〜25年間ぐらい人に教えているわけで、もう何千人も教えているわけですけども、素直なのが一番です。素質は言うことないでしょう。柔らかさと強さを備えていて。自分ではおそらく自信を持ってないと思います。なぜならばまだ開花してないからですね。こういう金の卵なのに、まだ殻を割っていない自分がいる。それを割らせてあげる、自信を持たせるということがまず最初に来ると思います。必ずやり遂げてみせます。

――お祖父さんの教えや言葉はある?

納谷 やっぱりお祖父ちゃんは相撲の道に進んでほしかったと思うんですけど、最後に“やるなら最後までやり通せ”という風に言われたので。その言葉を胸にやっていきたいなという風に思います。

――まずは武道からという話だったが、将来的にはプロレスをやる可能性もある?

佐山 ありますよ。本人が望むならそれもあるでしょう。ただ、最初からそれに持っていくと心が違う方向に行ってしまうので。うちの姿勢は皆さんもおわかりだと思いますけど、こういう姿勢なので。でも、将来は必ずあるのではないかと思いますけどね。

――具体的に進路を決めた時期はいつ?

納谷 佐山先生のところに弟子入りをさせてくださいという話をしたのは、去年の夏頃です。

――去年の夏以前に藤原道場でキックボクシングをやっていた?

納谷 そうですね。少しやっていました。

――キックボクシングではなく、なぜ総合格闘技や武道の方向に進むことを選んだ?

納谷 やっぱり総合格闘技というものに興味があったので。

――目標とする選手、尊敬する選手は?

納谷 尊敬しているのはお祖父ちゃんであり、佐山先生であって。そういう行き方とかを凄く尊敬しているので、自分もそういう風になれるように頑張っていきたいなと思います。

――ファンとして総合格闘技やK−1を見ていた時に好きだった選手は?

納谷 本格的に選手の名前を覚える感じで見ていたわけじゃないので。

佐山 礼儀作法の練習に入っていきますけど、明後日以降は興義館の方でプロ練習も行います。瓜田や桜木は当たり前のことですけど、他にも日本の総合格闘技のチャンピオン、あるいはチャンピオンクラスの人間が実はうちで練習していまして。その人たちとともに、一緒に世界へ進んでいくという体制になっています。皆さんがご想像するよりもよい環境で。実は興義館は密かにやっておりましたので、その環境にドップリ浸かっていくと必ず強くなるではないかなと思います。確信を持っています。精神的なことも当然教えていきますんで。まだルーキーの状態です。高校を卒業したばっかりです。こんな素直な子が入ってくれるとこちらもやり甲斐があります。どういう風に成長していくか。精神的にどれだけ強くなっていくか。これを見守っていただきたいです。今日は初日の練習ですが、本当にセメントでやらせていただけるので、うちは礼儀作法からやらせていきます。礼儀作法とともに強くなっていく幸男の姿を見守ってやってください。お願いします。

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