山本監督、8回の走塁「ダブルスチールを行ってもいいというサイン」=WBCプエルトリコ戦・試合後コメント

構成:スポーツナビ

WBC準決勝 プエルトリコ戦で厳しい表情を見せる山本監督。 【写真は共同】

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝が17日(日本時間18日)、サンフランシスコのAT&Tパークで行われ、日本代表はプエルトリコ代表に1対3で敗れ、3連覇の夢を断たれた。

 以下は、山本浩二監督の質疑応答。(取材:永塚和志)

8回の走塁は「1つでも前の塁へという姿勢」

――能見篤史投手が2点本塁打を献上したがあそこで他の投手を投入するということは考えなかったのか?

 敗因は相手のピッチャーの切れが良くて、チャンスをつかめなかったことだと思います。能見のことは結果論であって良い投球はしていました。

――前田健太投手にも四球が多かったが選手全体に硬さがあったのか?

 硬さというか、球場の風の具合とか今日はちょっといつもと違ったという感じです。でも前田は良い投球をしてくれました。負けたのはそういうことではなくて、私は選手は頑張ってくれたと思います。

――8回の走塁失敗について、あれはどのような戦術だったのか?

 8回の走塁はダブルスチールを行ってもいいというサインでした。スタートで井端(弘和)が少し遅れましたが、どちらにしても選手は本当によくやってくれました。この経験がこれからの野球人生にもプラスになるのではないかと思います。

――打席には強打者(阿部慎之助)が入っていたにも関わらずダブルスチールを狙ったのはなぜか?

 あの投手(ロメロ)の動きが大きいというのはビデオで見てわかっていましたし、そういうチャンスがあれば行くということはミーティングで話していました。もちろん打席には阿部が入っていましたが、1つでも前の塁に行くという姿勢でしたから。この作戦は失敗か成功かだけですから、悔いはありません。

重圧感じるも「燃えるものがあった」

――阿部主将の評価は?

 選手は本当によくやってくれた。特に阿部をはじめベテラン陣が彼をサポートし、そして若い連中がそれについていった。2次ラウンドからまとまりが出てきました。素晴らしい選手とできて私は本当に幸せです。

――戦前は苦戦が予想された大会で準決勝まできたものの、優勝まであと2つ足りなかった。3連覇に足りなかったものは?

 今日の相手は素晴らしいチームで打者も積極的に打ってきましたし、特に投手が良かったので、(日本には)なかなかチャンスらしいチャンスもありませんでした。勝負には勝ち負けがありますし、今日は相手が勝ったということだと思います。ただ、チームとして選手全員で戦って、このシーズン前の調整の難しい時期に各選手が本当に短期間で調整してこの戦いに臨み、ひとつのチームができたのではないかと思います。

――日本代表の監督として大きな重圧の中で戦ってきた今の思いは?

 もちろん3連覇を目指してやってきましたし、このチームならいけるのではないかという手応えもありました。監督就任の要請を受け半年くらい経ちますが、久しぶりに監督をやらせてもらう中でさまざまな重圧は感じていました。でも、非常に良い経験というか、あらためて勝負の厳しさを味あわせてもらったし、燃えるものがありました。

<了>
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