力入り過ぎた侍打線、受け身の野球が敗因に=WBC
準決勝 日本vs.プエルトリコ 佐野慈紀氏が解説
プエルトリコ戦の5回、2死一、二塁の好機に空振り三振に倒れた松田
プエルトリコ戦の5回、2死一、二塁の好機に空振り三振に倒れた松田【写真は共同】

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝が17日(日本時間18日)、サンフランシスコのAT&Tパークで行われ、日本代表はプエルトリコ代表に1対3で敗れ、3連覇の夢を断たれた。勝ったプエルトリコは19日(同20日)、準決勝のもう一試合、ドミニカ共和国対オランダ(現地時間18日、日本時間19日)の勝者と決勝を戦う。


 スポーツナビでは、かつて近鉄バファローズなどでセットアッパーとしてフル回転した野球解説者の佐野慈紀氏が、日本vs.プエルトリコ戦をズバリ解説。勝敗のポイント、最後までプエルトリコ投手陣を打ち崩せなかった打線、8回の走塁ミス、また今後の日本代表が抱える課題について語ってもらった。

勝敗の分かれ目はプエルトリコの攻めの姿勢

 勝敗を分けた一番のポイントはプエルトリコの攻める姿勢だと思います。プエルトリコはチームに勢いがありましたし、「俺たちは勝つんだ」という意気込みがあった。その勢いに日本代表が押されてしまいました。力的には互角、もしくは日本代表が上だったと思いますが、気持ちの上でプエルトリコが攻め続けたところに勝敗の分かれ目があったと思います。


 先発の前田健太投手は相当のプレッシャーがあったと思います。でも、その中でしっかりと力を出してくれました。1点を取られてしまったのは仕方ないと思いますが、チームに勇気をもたらすような気迫のこもったピッチングだったと思います。


 打線に関しては、序盤から「負けられないんだ」と力が入りすぎてしまって、終始追いかけるタイミングでした。自分のルーティンで打席に入った選手は少なかったと思います。慌てて打席に入ってしまい、相手のタイミングで打たされてしまっていたと思います。1次ラウンド、2次ラウンド以上に力が入りすぎていましたね。普段通りの野球というより、受け身というか、追いかける野球が最後まで響いてしまった。


 でも素晴らしい戦いをしましたし、伝わってくるものがたくさんありましたから、選手たちには大きな拍手を送りたいです。

モリーナの強肩に惑わされた8回の走塁ミス

 8回1死一、二塁の走塁ミスですが、誰でもどんな時でもミスは起きると思います。ただ、サインミスだったとかアクシデントとかは別として、相手を知っているからこそのあの場面のアウトだったと思います。


 やはりプエルトリコのキャッチャー、モリーナ選手の肩は日本代表にとって非常に脅威です。もしダブルスチールのサインだとして走ったのなら、あの場面でのキャッチャーとしての鉄則は前のランナーよりも後ろのランナーを狙うわけです。セカンドランナーが先にスタートしますから、後ろのランナーはスタートが遅れてくるだろう、そうしたら遅れてスタートしたランナーの方がアウトに取りやすい。ですから、キャッチャーが狙うのは当然、後ろのランナーなんです。


 あの場面、モリーナ選手もセカンドランナーを見ていないんです。ボールを取った瞬間、ファーストランナーを見てて、飛び出しているからこそアウトにできた。内川選手もあの場面でよりいいスタートを切って、より早く二塁にたどり着かないと自分は刺されるという恐怖心があったからこそ、ああいうスタートになったのかなと思います。結果。前のランナーがスタートを切ったことを確認できていなかったのかなと思います。それもすべては、モリーナの肩の強さの認識からだと思いますね。

構成:スポーツナビ

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