まさに“ホンモノ”大谷翔平が魅せた30球=全投球詳細

ベースボール・タイムズ

ルーキーとは思えぬ堂々たる投球

ほぼ完璧なピッチングを見せた大谷。自然と公式戦での早期投手デビューを期待したくなる 【写真は共同】

 内容も素晴らしかった。特筆すべきは、打者7人に対し、ストライク先行のピッチングができたことだ。試合後、対戦したユウイチは「腕の振りが良く、初球からすごく良い球が来ていた。(二塁打は)イチ、ニのサンで打ちにいったけど、それでも振り遅れた」と大物ルーキーのポテンシャルをたたえた。

 大谷自身は試合後、「カウントを取りにいくストレートは良かった。でも、力を入れたときにボールが引っかかったり、カーブもすっぽ抜けた」と、反省も忘れなかった。150キロ連発については、「強い追い風が影響したと思う。もっと長いイニングを投げて、その中でコンスタントに速いボールが投げられる投手になりたい」と冷静に振り返った。

 ただそれを差し引いても、この時期にこれだけ完成度の高いピッチングを見せられると、「投手」大谷の早期デビューを期待したくなってしまう。「打者」大谷の可能性も捨てがたいが、「投手」大谷の可能性を省くのは、現時点では考えられない。まさに“ホンモノ”。そう呼ぶにふさわしい、完璧な投球内容だった。

大谷翔平、投手デビュー戦の全投球詳細

【1イニング目:6回表】

打者:代打・楠城祐介(右打ち)
初球  真ん中高めのストレート 空振り 151キロ 0−1
2球目 ストレートが高めに外れボール 149キロ 1−1
3球目 ストレートが外角低めに外れボール 146キロ 2−1
4球目 真ん中高めのストレート 一塁スタンドへファウル 148キロ 2−2
5球目 真ん中低めのストレート 三塁ボテボテのファウル 149キロ 2−2
6球目 スライダーが外に外れてボール 135キロ 3−2
7球目 内角高めのストレート 詰まらせてファーストフライ 149キロ
1アウト

打者:川端慎吾(左打ち)

初球  ストレートが外角低めに決まり見逃しストライク 148キロ 0−1
2球目 ストレートが外角高めに外れてボール 151キロ 1−1
3球目 真ん中低めストレート ファウルチップ 149キロ 1−2
4球目 外角低めボール気味のストレート 後ろにファウル (球速表示なし) 1−2
5球目 内角低め、ひざ元に曲がるスライダー 空振り三振 135キロ
2アウト

打者:川島慶三(右打ち)
初球  外角低めのストレート 見逃しストライク 149キロ 0−1
2球目 外角低めに続けてストレート またも見逃しストライク (球速表示なし) 0−2
3球目 三度外角低めにストレート 一塁側にファウル 152キロ 0−2
4球目 外角にボールに外れていくスライダー 見逃しボール 136キロ 1−2
5球目 ストレートがインコース低めに外れボール (球速表示なし) 2−2
6球目 ストレートが真ん中高めに外れボール 151キロ 3−2
7球目 真ん中低めに力のあるストレート ショートゴロ 
3アウト
<1イニング目 19球>

【2イニング目:7回表】

打者:佐藤貴規(左打ち)
初球  外角低めのストレート 後ろにファウル (球速表示なし) 0−1
2球目 変化球が高めに抜けボール 99キロ 1−1
3球目 外角高めのストレート ピッチャー返しを大谷が難なく処理 146キロ 
1アウト

打者:松井淳(左打ち)
初球  真ん中よりのスライダー レフト前へのフライ
2アウト

打者:ユウイチ(左打ち)
初球  アウトローに外れてボール (球速表示なし) 1−0
2球目 真ん中低めのストレートでストライク(捕手後逸) 152キロ 1−1
3球目 真ん中高めのストレート レフト前ヒット。レフト後逸で二塁へ (球速表示なし)
2アウト二塁 選手交代(代走):ユウイチ→川上竜平

打者:藤本敦士(左打ち)
初球  外角高めの力あるストレート 3塁側スタンドへファウル 151キロ 0−1
2球目 同じく外角高めへストレートでストライク(ボール気味) (球速表示なし) 0−2
3球目 真ん中高めストレート 三塁側へファウル 149キロ
4球目 インコース低めにボールになるスライダー 空振り三振 136キロ
3アウト
<2イニング目 11球  計30球>

2回 打者7人 被安打1 奪三振2 四死球0 自責点0

 今年は2軍情報も、見逃せそうにない。

<了>

取材協力:上村祐作

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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