マエケンに課題、スライダーがまだ甘い=前田幸長氏が解説
中国戦で先発好投した前田健太だが、スライダーの制球力にまだ課題が残る 【写真は共同】
試合は先発の前田健太(広島)、2番手で登板した内海哲也(巨人)らが中国打線を封じ込める一方、打線はこの日も湿り気味。中盤の5回に1死満塁から4番・糸井嘉男(オリックス)が放った走者一掃の3点タイムリーで勝負を決めたものの、その後は再び打線が沈黙するなど、第1ラウンド最大のライバル・キューバ戦(6日)に向けて、いまだ課題を払しょくできないゲームとなった。
スポーツナビでは、独特のナックルを武器にロッテ、中日、巨人で先発・中継ぎとタフな活躍をした前田幸長氏に中国戦の感想を聞いた。前田氏はキューバ戦に向けて打線に工夫を求める一方、今後の第2ラウンド、そして米国で行われる決勝ラウンドを見据え、元ピッチャーの観点から前田健太、内海ら投手陣にも大きな修正点が残されていることを指摘した。
マエケンのスライダーはまだ甘く入っている
ただ相手の中国打線は格下なので、前田健太投手にしても内海投手にしてもどうでしょうか? 内海投手はもう少しスピードがほしいところでしたし、前田投手はスライダーが若干抜けて甘く入るのが目立っていた。中国打線だからつかまえきれなかっただけで、これが強豪国を相手に投げるということを考えると、前田投手はもう少しスライダーの制球力の精度が上がればいいかなと思いましたね。ストレートはだいぶ良くなってはきました。でも、スライダーですよね。前田健太という投手はスライダーの投手ですから、もちろんストレートもいいものを持っているんですが、勝負球、一番いい球はというと、やはりスライダーのはず。そのスライダーが甘く入る、抜けることがまだあったので、そのあたりの修正はやらないといけない。スライダーの制球力が次の課題になるかなと思います。
涌井は疑問、2失点の山口は緊張感のある場面でこそ
内海投手はやはりリリーフのタイプではない。先発ではじめて力を発揮するタイプですから、リリーフでは使ってほしくないですね。沢村投手は非常に力のある球でした。あれくらいのスピードなら、米国であったり、キューバであったり、外国のハードヒッターを抑えられるパワーはありますよね。ただ、強豪国が相手になった場合は、あの球を投げ分ける正確さが必要になってくると思います。
山口投手ははもっと緊張感のある場面で投げさせれば、今回のようなことはないと思います。