マエケンに課題、スライダーがまだ甘い=前田幸長氏が解説

構成:スポーツナビ

中国戦で先発好投した前田健太だが、スライダーの制球力にまだ課題が残る 【写真は共同】

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇を目指す日本代表は3日、福岡・ヤフオクドームで中国と対戦し、5対2で勝利した。これで日本代表は前日のブラジル戦に続き第1ラウンドを2連勝。東京ドームで行われる第2ラウンド進出へ王手をかけた。

 試合は先発の前田健太(広島)、2番手で登板した内海哲也(巨人)らが中国打線を封じ込める一方、打線はこの日も湿り気味。中盤の5回に1死満塁から4番・糸井嘉男(オリックス)が放った走者一掃の3点タイムリーで勝負を決めたものの、その後は再び打線が沈黙するなど、第1ラウンド最大のライバル・キューバ戦(6日)に向けて、いまだ課題を払しょくできないゲームとなった。

 スポーツナビでは、独特のナックルを武器にロッテ、中日、巨人で先発・中継ぎとタフな活躍をした前田幸長氏に中国戦の感想を聞いた。前田氏はキューバ戦に向けて打線に工夫を求める一方、今後の第2ラウンド、そして米国で行われる決勝ラウンドを見据え、元ピッチャーの観点から前田健太、内海ら投手陣にも大きな修正点が残されていることを指摘した。

マエケンのスライダーはまだ甘く入っている

 まず投手陣はいい形でしたね。山口投手が2点を取られましたけど、いつもの緊張感の足らなさを差し引いても合格点だったと思いますね。

 ただ相手の中国打線は格下なので、前田健太投手にしても内海投手にしてもどうでしょうか? 内海投手はもう少しスピードがほしいところでしたし、前田投手はスライダーが若干抜けて甘く入るのが目立っていた。中国打線だからつかまえきれなかっただけで、これが強豪国を相手に投げるということを考えると、前田投手はもう少しスライダーの制球力の精度が上がればいいかなと思いましたね。ストレートはだいぶ良くなってはきました。でも、スライダーですよね。前田健太という投手はスライダーの投手ですから、もちろんストレートもいいものを持っているんですが、勝負球、一番いい球はというと、やはりスライダーのはず。そのスライダーが甘く入る、抜けることがまだあったので、そのあたりの修正はやらないといけない。スライダーの制球力が次の課題になるかなと思います。

涌井は疑問、2失点の山口は緊張感のある場面でこそ

 また、涌井投手にしても、結果0点で抑えましたが、合格点なのかというとちょっとどうかな?という部分があります。力のある打者がいるチームと対戦するとなると、本来の涌井投手の力を考えると、少し疑問が残る投球でしたね。

 内海投手はやはりリリーフのタイプではない。先発ではじめて力を発揮するタイプですから、リリーフでは使ってほしくないですね。沢村投手は非常に力のある球でした。あれくらいのスピードなら、米国であったり、キューバであったり、外国のハードヒッターを抑えられるパワーはありますよね。ただ、強豪国が相手になった場合は、あの球を投げ分ける正確さが必要になってくると思います。

 山口投手ははもっと緊張感のある場面で投げさせれば、今回のようなことはないと思います。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント