貧打逆戻りに山本監督「気持ちが出すぎた」=WBC強化試合・阪神戦後コメント

構成:スポーツナビ

阪神投手陣に3安打完封負けの侍ジャパン、山本監督(左)は渋い表情 【写真は共同】

 ワールド・ベースボール・クラシック3連覇を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は26日、京セラドーム大阪で行われた強化試合で阪神と対戦し、0対1で敗れた。

 侍ジャパンは、3月6日(水)キューバ戦で先発予定の内海哲也(巨人)が、この日の登板では3イニングを投げ1安打、3奪三振の好投で無失点。本戦へ向け大きな手応えを得る投球内容だった。
 続く涌井秀章(埼玉西武)が不安定な投球で1点を失ったものの、森福允彦(福岡ソフトバンク)、摂津正(福岡ソフトバンク)、今村猛(広島)とつないだリリーフ陣が6回途中からノーヒットに抑える内容で、仕上がりの良さをアピールした。

 一方、24日のオーストラリア戦で13安打10得点と目覚めたはずだった打線だが、阪神投手陣の前に3安打と沈黙。特に1番・坂本勇人(巨人)から5番・長野久義(巨人)までの上位打線がノーヒットに抑えられるなど、再び貧打線に逆戻りしてしまった。

 以下は山本浩二監督、角中勝也(千葉ロッテ)、和田豊監督(阪神)、福留孝介(阪神)の試合後コメント。(取材・永塚和志)

山本監督「(松田の三盗失敗は)状況を判断してほしかった」

――今日の試合の感想を。

山本監督「こういう展開は、最初のオーストラリアとの試合の時も言ったが、選手一人一人が何とかしようとする気持ちが出すぎた。バッティングカウントで甘い球を凡打した、そんなゲームではなかったかと思う」

――その中でこれまで不調だった松田にヒットが出たが。

山本監督「松田の得意な積極的なバッティングで2ベースが出たのはいいが、その後の三盗を失敗してしまったのは、彼らしいといえばらしいが、あそこは100パーセント成功するのでなければやってはいけなかった。状況を判断してほしかった」

――先発・内海についてはどう見る。

山本監督「今日は非常に状態が良かった。コントロール、制球、ストレートのキレとか」

――角中が乗っている。

山本監督「一昨日、今日と良いスイングをしている。ミートの良さもそうだし、その後の走塁も良い形だった。良いスイングであったし、良い走塁だったと思う」

――角中は前回、今日と8番を打ったが、2ストライクからでもファールで粘ることができる。彼の打順を上げることは考えているか。

山本監督「状況によってはそれも考えられるし、それはまずミーティングで話し合っていく」

――実践初登板となった涌井の出来については。

山本監督「ストレートの伸びなどはだいぶ出てきたのでは。合宿から良いボールが来てたと思う。ただ、今日、失点した回は先頭(打者)を四球で出してしまった。どんな時も先頭打者を出すと失点する確率は高くなってしまう」

――今日は稲葉が途中、守備の交代から入り、井端には出場機会がなかったが、打てない状況を変えるために彼らに代打から入らせ好機を作るという考えはなかったのか。

山本監督「今こういう状況で試合をしていて、実戦のゲームを積んでいるところ。本番になれば当然代打や代走は使っていくが、まだ全選手には試合に慣れていってもらっている段階。例えば今日なら阿部を途中で交代させている。いろんな選手を使いたかった。本番ではベンチにいる人数が少ないのから、こういうことはない」

角中「勝負強い打撃をしたい」

――今日も活躍し、山本監督へのアピールとなったのでは。

角中「そうですね。アピールもそうだが、自分のやるべきことをやろうとしている」

――「やるべきこと」とはどういったことか。

角中「基本的に自分は本塁打をあまり打つタイプの選手ではない。先頭(打者)なら塁に出て得点機を作ろうとするし、塁に走者がいればそれを進めるような、勝負強い打撃をしたいと思っている」

――この強化試合での活躍をするにあたってきっかけはあったのか。

角中「きっかけというよりも、今の所は自分の形で打てているという感じです」

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