内川聖一が大舞台で力を発揮する2つのポイント=現役最強ヒットマンが挑む世界舞台
3番昇格でサムライ打線に流れ
打撃とムードメーカー、両面で侍ジャパンの軸として期待される内川 【写真は共同】
サムライ打線の流れを変えたキーマンは、内川聖一(福岡ソフトバンク)だ。前の2試合は5番打者だったが、この日は3番に昇格。すると、先制点は内川のバットから生まれた。初回1死二塁でセンターへタイムリー。さらに8回にもダメ押しの2点タイムリーを放ち3安打3打点の活躍を見せたのだ。
内川は現役最強のヒットマンだ。昨季はシーズン157安打で最多安打タイトルを獲得。11年は首位打者(打率3割3分8厘)。いずれも横浜在籍時に続く2度目。両リーグでのタイトルホルダーとなった。また、昨季で5年連続打率3割を達成した。これは日本人右打者として史上3人目(落合博満81年〜87年、中島裕之06年〜10年)である。
内川独特のWBC対策も万全
現役最強の右打者・内川がWBC3連覇に導く 【Getty Images】
そんな男が、この大舞台に無策で臨むはずがない。投手でクローズアップされるWBC使用球にも内川はきっちりアジャストしようとしていた。
「打ちにいく前にしっかりトップをつくって、センターへ弾き返すイメージですね。WBC球は投手の指にかからなかった球がすごく動くんです。それに対応しないといけない」
トップをつくる動きは、早く、大きく。さらにストライクゾーンの違いも課題に挙げられるが、「僕は周りがボールに見える球でも、ストライクと思ったら打っちゃうタイプだから(笑)」と気にする素振りはない。この敏感力と鈍感力の絶妙なバランスもまた、この大舞台で力を発揮するポイントになりそうだ。
「ポスト川崎」としての役割
「ソフトバンクに移籍してきた時もそうでしたが、まずは内川聖一とはこんな人間ですよと周りに知ってもらいたい。そのためにはバカもやりたい。みんなが僕を面白がってくれればいいと思うんです」
過去2回のWBCでは川崎宗則(現マリナーズからFA)がその役割を担い、その貢献度の大きさがいまだに語り草となっている。その良き伝統は、同じソフトバンクから代表入りしている内川をはじめ松田、本多の3人でぜひ受け継いでもらいたいところだ。
<了>
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