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メッシがもたらすアルゼンチン代表の平静
再び口にした母国リーグ挑戦の可能性

注目を集めた因縁の対決

ピッチ上での再会を果たした元チームメートのメッシ(右)とイブラヒモビッチ(左)
ピッチ上での再会を果たした元チームメートのメッシ(右)とイブラヒモビッチ(左)【写真:アフロ】

 先週はリオネル・メッシにとって2つの良い出来事があった。1つはバルセロナとの契約を2018年まで延長したこと。もう1つはスウェーデンを3−2で下した親善試合にて、長年混迷の時代が続いてきたアルゼンチン代表に平静をもたらす道を見出すことができたからだ。


 この試合はスウェーデンで行われ、地元のスターであるズラタン・イブラヒモビッチと、メッシによる因縁の元チームメート対決として戦前から大きな注目を集めていた。イブラヒモビッチは大きな成功をつかめなかったバルセロナを退団した後、古巣に対していくつかの批判的な発言をしてきた。またその後、出版した自伝の中に、当時の監督であるジョセップ・グアルディオラ氏やメッシが快く思わない内容があったことも話題となっていた。


 万全の防寒機能を備えた5万人収容のフレンズ・アレナにて、2人は表面的には親しみにあふれた挨拶を交わした。だが両者の現在の関係についてさまざまな解釈を可能にした試合前の1シーンとは裏腹に、キックオフ後のピッチ上では議論の余地なき試合が繰り広げられることになった。

世界一の攻撃陣との快適なプレー

 イブラヒモビッチがいくつかのプレーで存在感を感じさせるにとどまった一方、メッシは90分を通して完全にゲームを支配し続けた。この日、メッシはゴンサロ・イグアインとセルヒオ・アグエロの2トップにプレースペースを与えるべく、右寄りのポジションでスタート。だが時間の経過とともに中盤へとポジションを下げ、フェルナンド・ガゴとハビエル・マスチェラーノのサポートを受けつつ、アンヘル・ディマリアの左からの攻め上がりを促進していた。


 2トップの後方から機を見てゴール前に上がっていくメッシの役割はよく機能していた。オフサイドラインを破ってDFライン裏へ抜けだし、柔らかなタッチのループシュートでGKイサクソンの頭上を越したシーンは、試合後繰り返しテレビで放送されていた。イサクソンがオーバーヘッドでクリアした瞬間にはすでにボールがゴールラインを割っていたように見えたのだが、レフェリーはゴールを認めなかったからだ。


 この日のメッシはとても快適にプレーしていた。彼とイグアイン、アグエロ、ディマリアを並べた攻撃陣には恐らく世界一の破壊力がある。この日、スウェーデンに対して示したように、彼らにはわずかな時間のうちにゴールを生みだす力があるからだ。

難航するサイドバックの人選

 一方、守備面では相変わらずの課題を抱えている。問題が顕著になるのはライバルにボールを支配されている時だ。ガゴとマスチェラーノに加えてディマリアもハードワークをこなすため中盤での守備は改善されてきた。だが、このラインを突破され、最終ラインが無防備な状態で相手の攻撃を受けると、特に両サイドバックの脆さが露呈されるのである。

 

 空中戦に強いセンターバックのエセキエル・ガライとフェデリコ・フェルナンデスが代表で継続的にプレーし、コンビネーションを熟成させていることはアレハンドロ・サベーラ監督にとって良いニュースである。しかし、サイドバックの人選はいまだに難航している。


 アルゼンチン代表におけるパブロ・サバレタはマンチェスター・シティの彼とは全く別の選手であり、今回はケガで招集が見送られたマルコス・ロホも、その代役を務めたウーゴ・カンパニャーロも、周囲を満足させるプレーは見せられていない。それはGKのセルヒオ・ロメロも同様で、空中戦の弱さという決定的な欠点を持つ彼のパフォーマンスは下降し続けている。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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