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アリスター、TKO負けの裏側
PRIDE時代からの欠点が露呈

慎重に試合を進めていた序盤

1年1カ月ぶりの復帰戦となったアリスターだが、シウバの前にTKO負けを喫した
1年1カ月ぶりの復帰戦となったアリスターだが、シウバの前にTKO負けを喫した【Zuffa LLC via Getty Images】

 ストライクフォース、K−1、DREAMに続き、UFC制覇も狙ったアリスター・オーフレイムだが、「UFC156」(現地時間2日、アメリカ・ラスベガス)でアントニオ・シウバにTKO負け。勝てばヘビー級王座挑戦も伝えられたが、タイトル戦線からの後退を余儀なくされた。アリスターの敗因と今後を考察する。


 序盤、アリスターが発する打撃のプレッシャーに、シウバは臆したように展開。打撃戦を嫌って組みに出るが、ここでもアリスターが圧力を発揮してシウバを金網へと押し込む。そして太もも、ボディにコツコツとヒザ蹴り。派手さには欠けるが、日本だけでもエヴェルトン・テイシェイラ、藤田和之を“粉砕”というべきKOで降しており、この蓄積がシウバを削っていくだろうことは容易に想像がいった。

 2Rも勝負を左右すると考えられた局面=組み合いで、足払いを決め逆にシウバをテークダウン。グラウンドへ移ってもシウバを金網際に誘導し身動きを不十分にして攻めており、押し込んでのヒザ蹴り同様、アリスターは丁寧・慎重に試合を進めているよう映った。

 だが、こうしたチャンスがありながら、そこで試合を決せられなかったこと、あるいは十分なダメージを与えられなかったことがアリスターに敗北を招くこととなる。

2R後半に突如勢いづいたシウバ

 グラウンドでの攻防をこう着と見てレフェリーが2人をスタンドへ戻すと、それまでとは様子が一変。アリスターに威圧されていたシウバが、吹っ切れたように右アッパー、首相撲からのヒザと前に出る。浅く被弾しながらもシウバを突き飛ばしてこのラウンドを終えたアリスターだが、悪い予兆は3Rに現実のものとなってしまう。


 勢いづいたシウバは右アッパー、右フック、右ハイと攻めて出て、アリスターがプッシングしてもすぐに戻ってさらにパンチを連打。アッパー、フック、打ち下ろしのストレートと右を打ち分け、最後は左右連打でアリスターを沈めてレフェリーストップを呼び込んだ。

 グラウンドでの攻勢をしのがれ息が乱れたアリスターを見逃さなかったか、あるいは試合前の舌戦があった両者、スタンドに戻ったところでシウバに突如そのことがよぎり、スイッチが入ったのか。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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