高見盛、現役生活14年を振り返る

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“角界のロボコップ”の愛称で人気に

取り組み前の独特の気合い入れで人気を博した高見盛、惜しまれつつ引退となった 【写真は共同】

 数々のテレビコマーシャルに起用されるなど老若男女に人気のあった東十両12枚目の高見盛が27日、14年の現役生活に終止符を打った。2011年大相撲名古屋場所で十両に陥落して以降、8場所で6度負け越し。場所前に「幕下陥落なら引退」を公言して臨んだ2013年初場所で8連敗を喫するなど5勝10敗と結果が出ず、幕下陥落が決定的となったことを受けて引退を決めた。

 土俵上で拳を強く握り締めたり、顔や胸をパチパチ叩く独特の気合入れパフォーマンスで人気を博し、“角界のロボコップ”の愛称で親しまれた高見盛。小学校4年生で相撲を始め、中学横綱になるなど実績を積むと、青森県・弘前実業高校を経て、日本大学へ進学。1999年に大学卒業後、元関脇・高見山が親方を務める東関部屋へ入門した。
 同年春場所、幕下付出15枚目格で初土俵を踏む。2000年初場所で十両昇進を決め、しこ名を加藤から高見盛に改名。同年名古屋場所で幕内へ昇進すると、10勝5敗の好成績で敢闘賞を受賞した。しかし、同年秋場所で右ひざ十字じん帯を断裂し途中欠場すると、2場所連続休場するなど東幕下筆頭まで番付を落とした。

2003年名古屋場所では横綱2人から金星

 その後、西十両5枚目で迎えた02年初場所で12勝3敗と十両優勝を果たし、同年春場所から幕内復帰。このころから取り組み前に胸や肩をパチパチ叩く独特の気合入れを始め、世間から大きな注目を集めた。02年名古屋場所で技能賞を獲得し翌場所には初の三役となる小結に昇進。翌03年春場所にも技能賞を獲得した。
 現役生活で一番輝いたのは03年名古屋場所。5日目に横綱・武蔵丸を寄り切って初金星を挙げると、8日目には横綱・朝青龍を寄り切り、一場所で2横綱に勝利。終わってみれば9勝6敗ながらも、2横綱2大関を破る奮闘を見せて殊勲賞を獲得した。

 翌場所でも9勝6敗を挙げて2度目の敢闘賞を手に再び東の小結に昇進するなど、今後の躍進を期待されたが、03年九州場所前の出げいこの際、朝青龍との一番で右肩亜脱臼の重傷。その後はケガが完治することなく、幕内中位以下が定位置となってしまった。

 11年は八百長問題で春場所が中止になったのを挟んで、4場所連続負け越し。同年秋場所で6勝9敗と負け越して、翌場所から十両に陥落。13年春場所で幕下陥落が決定的となり、千秋楽の1月27日に引退を表明した。

■高見盛 精彦/Takamisakari Seiken
1976年5月12日生まれ。青森県出身。本名は加藤精彦。187センチ142キロ。東関部屋所属。生涯成績は84場所で563勝564敗46休。幕内では58場所で408勝446敗16休。最高位は東小結。
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