「大谷の二刀流」は新たな可能性の提示=大塚光二・新コーチが語る

構成:スポーツナビ

投手と野手、プロで二刀流に挑戦する大谷翔平。大塚氏はプロ野球やスポーツの可能性を広げる挑戦だと語った 【写真は共同】

 昨シーズン、就任1年目の栗山英樹監督が率いる北海道日本ハムがパ・リーグを制した。2年目の今シーズン、新たに川越東高野球部監督の阿井英二郎氏をヘッドコーチに、コーチ経験のない大塚光二氏、黒木知宏氏をコーチに招へいした。また、大谷翔平の入団や糸井嘉男のトレードなどファンに話題を提供し続ける北海道日本ハム。その日本ハム1軍外野守備・走塁コーチに就任した大塚氏に、キャンプ前の現在の心境を聞いた。

糸井の放出…チームとして成長できる機会

――1月23日、糸井嘉男のオリックスへのトレードが発表されましたが?

 そうですね。日本を代表する外野手が抜けたというのは、本当に痛いですね。走攻守3拍子そろった選手は今後、現れないかもしれません。間違いなく戦力となった選手ですので、残念です。

――日本ハム外野陣に与える影響をどう見ますか?

 キャンプ直前ですので、マイナスにばかり考えてはいけませんし、プラスに捉えていかなければならないと考えています。若手選手にとっては、レギュラーポジションの一角が空いた訳ですから、チャンスだと思ってもう一度「やってやろう」という気持ちになってもらえればと思います。選手のモチベーションを上げて、外野陣の底上げにつなげていきたいと思います。

 野手は打撃も守備も一人ではできません。全員が「糸井の穴を埋めるぞ」との気持ちになってくれれば、チームにとって大変なプラスになるはずです。糸井の穴は大きいかもしれません。しかし、3〜5年後のチームを見据えた時に、チームとして成長できる機会だと思います。

――日本ハムの外野陣はそれでも中田翔、陽岱鋼と選手がそろっていますが?

 中田、陽岱鋼は12球団トップクラスの選手だと思います。私としては指導というよりも、彼らがグラウンドでしっかりプレーできるよう、心や体のケアをしていければと思っています。

 一方、若手選手は、すばらしいお手本が身近にいるのだから、少しでも技術を盗んでほしいと思います。彼らのプレーをよく見て、どういう練習をすれば彼らに追いつき追い越せるのかを考えてほしい。そのための相談は積極的に乗りますので、気軽に声を掛けてほしいと思います。

新たな可能性を見出す大谷の挑戦を応援したい

――今季、北海道日本ハムに入団した大谷翔平選手が二刀流への挑戦を表明していますが?

 球界にとって初の試みで彼を応援したい。彼の挑戦は子どもたちに新しい夢を与えるものになると思います。小学校で野球をやっている子どもたちが投手・野手どちらに才能があるなんて誰も分かりません。大谷くんがプロで投手・野手両方で頑張っている姿を見せれば、子どもたちも投手・野手どちらでも頑張れるという可能性を広げることになると思います。

 きっと大変な挑戦だと思います。周りからの雑音も多いでしょう。
 同じチームの仲間として、雑音から彼を守るのも私の仕事だと思っています。守れる範囲は限られているかもしれませんが、守れる範囲で守っていきたいと思います。

 プロ野球は子どもたちに夢を与える仕事だと思っています。大谷くんの挑戦がプロ野球の新たな可能性、強いてはスポーツの新たな可能性を見出してくれることを期待したいと思います。

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