１４日に東京・国立競技場で予定されていた第９１回全国高校サッカー選手権大会の決勝、鵬翔（宮崎）vs.京都橘（京都）は降雪のために１９日に順延が決まった。会見に臨んだ全国高等学校体育連盟(全国高体連)サッカー競技専門部長の横田智雄氏は「悪天候による順延は今大会が初めて」と非常事態のやむを得ない決断だったことを明かした。

　また、決勝を行う決断の理由に関して質問が飛ぶと「高校生にとって選手権は特別な大会であると判断した」と語り、決勝の開催自体の中止は検討されなかった。

――１９日に決勝を順延するとのことだが、センター試験と日程が被ることについては？

　両校にセンター試験の受験者を確認したところ、いないという回答でした。応援団やほかの生徒は分かりませんが、実際に試合をする選手の中にセンター試験を受ける生徒がいないということで、われわれも（１９日開催を）判断しました。

――順延を決めた経緯は？ また決勝が悪天候で行われなかったことは過去にもあるのか？

　本日１０時３０分に主催者でミーティングを行いました。最初は雪混じりの雨だったので、開催の方向で動いており、日本サッカー協会、日本テレビ、高体連で（開催の方向で）決定しました。その後、急激な天候悪化のため、１１時に再度三者で集まり、本日の開催について、中止の方向で検討いたしました。１１時３０分にもう一度集まり、主催者にて中止を決定しました。順延に関しては調整し、先ほど話したように決定しました。

　なお、天候による（決勝の）順延はありません。昭和天皇の崩御（１９８９年）により、６７回大会で順延は行われましたが、悪天候による順延は今大会が初めてとなります。

――それは決勝に限ったことか？

　何回か雪は降っていますが、１２月３０日開幕から決勝に関しては順延はないと思います。

――決勝を行うと決断した理由は？

　やはり高校生にとって選手権は特別な大会であると判断しました。国立競技場に問い合わせたところ、センター試験に（日程が）かかるけれど空いているとの回答をいただきましたので、決勝戦を行うことを決断しました。

――（第７６回大会の）東福岡対帝京では雪の決勝が行われているが、今回の判断に至った理由は？

　東福岡対帝京は、ちょうど１５年前の決勝でして、わたしも雪かきをしていました。確かあの時は１２時前後から雪が降り出しましたが、今日は１０時半の段階で降り始め、１２時の段階では積もり始めていました。補助役員および先生方で雪かきをしましたが、みるみるうちに真っ白になり、順延の決定をしました。

　１２時でも（試合開始予定まで）まだ２時間あるということで、１５年前の決勝よりも２時間、雪が降るのが早かったです。これでは９０分間サッカーをやる状況ではないし、今まで準決勝までしっかりやってきたチームが、この状況で決勝を行うのは無理ではないかと判断しました。

――数日前から雪の可能性は考えられたが、昨日の段階でそうした話し合いはなかったのか？

　昨日の段階でわたしたちと日本テレビの間で、今日のことについてはいろいろ話はしていました。（試合当日は）９時の段階で集まり、雨、もしくは雪の状況を見て判断していこうという確認はしていました。ただ最初は雨でしたから、最初に話をしたように、雪混じりの雨だったのでやる方向でいたのですが、みるみるうちにあれだけ降り、それは昨日の段階では判断できませんでした。昨日から天気図の状況は確認していましたが、（試合を）やらせたいという方向ではいましたので、当日の状況で適時判断するということを確認していました。

＜了＞