ロゴタイプにミルコ太鼓判、個性派チャンピオンへの第一歩=朝日杯FS

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デムーロ騎乗の伏兵ロゴタイプ(左)が押し切りV、1番人気コディーノを競り負かして2歳王座獲得 【写真:中原義史】

 JRA2歳王者決定戦、第64回GI朝日杯フューチュリティステークスが16日、中山競馬場1600メートル芝を舞台に争われ、ミルコ・デムーロ騎乗の7番人気ロゴタイプ(牡2=美浦・田中剛厩舎、父ローエングリン)が優勝。好位3番手から最後の直線で早め先頭に立つとそのまま後続を完封、重賞初制覇で2歳チャンピオンの座を獲得した。良馬場の勝ちタイム1分33秒4は、2004年マイネルレコルトに並ぶレコードタイ。

 ロゴタイプは今回の勝利でJRA通算6戦3勝。デムーロは2010年グランプリボス以来の朝日杯FS2勝目。同馬を管理する田中剛調教師は平地GI初勝利となった(マジェスティバイオで11年中山大障害、12年中山グランドジャンプを制している)。

 一方、3戦無敗で重賞2連勝中だった横山典弘騎乗の断然1番人気コディーノ(牡2=美浦・藤沢和厩舎)はクビ差及ばず2着惜敗で初黒星。さらに2馬身半差の3着には、クリストフ・スミヨン騎乗の3番人気ゴットフリート(牡2=美浦・斎藤誠厩舎)が入った。

「とても力のある馬だと僕は信じていたんだ」

天皇賞・秋に続き殊勲の手綱、「GIを2つも勝ててすごくうれしい」とデムーロ 【写真:中原義史】

 父ローエングリンを思い起こさせる先行力とスピードの持続力。7番人気の伏兵ロゴタイプが、圧倒的1番人気コディーノを負かして2歳チャンピオンの座に就いた。
「すごくうれしいです。今年はGIを2つ勝つことができて、本当にうれしい!」
 日本語混じりでインタビューに答えたのは、殊勲の手綱を握ったミルコ・デムーロだ。天皇皇后両陛下がご臨席になった天皇賞・秋での好騎乗、そしてその後の騎士のような振る舞いで話題になったイタリア人ジョッキーがまたまた魅せてくれた。

「中山の1600メートルはトリッキーなので、調教師からは好位でという指示。とてもいいスタートが切れたし、そのとおりグッドポジションを取ることができた」

 外めの7枠14番から好発を生かして3番手グループを確保。「変わったレースになった」とデムーロが振り返ったように、出入りの激しい乱ペースになったが、自身はロゴタイプと折り合いバッチリ。3コーナー過ぎでコディーノが早くも先頭をうかがう上昇を見せ、これにはさすがの名手も「うわ! コディーノが来た! どうしよう?って思ったよ」と驚いてみせたが、それでもかく乱されることなく、はやる気持ちをグッと抑えたまま最後の直線を待ってから一気にアクセルを踏み込んだ。

「直線はロゴタイプが闘志を見せてくれました。前走は3カ月ぶりの休み明けだったのにレコードで勝っているし、とても力のある馬だと僕は信じていたんだ」

 デムーロの信頼に応えるように、ロゴタイプも抜群の粘り腰を発揮。外から迫るコディーノとの一騎打ちに堂々競り勝ち、正攻法で2歳馬の頂点に立った。

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