ベニテス監督「今日の勝利は大きな意味を持つ」=クラブW杯・モンテレイ戦後 監督会見
得点を決めたトーレス(右)を迎えるベニテス監督。モンテレイ戦のチームの出来には満足感を示した 【写真は共同】
試合後の会見に臨んだチェルシーのベニテス監督は「今日の勝利はわれわれにとって大きな意味を持つ」と試合結果に満足感を示した。また、得点したトーレスに関しては「チャンスがあれば、トーレスはゴールできる」とエースの得点力に太鼓判を押した。
「チームメートのおかげでトーレスは良くなっている」
――コリンチャンスは(準決勝で)アルアハリにかなり苦戦したが、チェルシーはモンテレイに圧勝した。決勝はどうなると思うか?
すべての試合は、それぞれ違う。われわれにとっては、次の試合に集中することが重要だ。(コリンチャンスが)われわれにとって対戦しやすい相手になるかは分からない。(陣容が)コンパクトで、いい選手もいて組織力もあるし、運動量も高い。決勝はまったく違った様相を呈するかもしれない。もちろん決勝で負けるわけにはいかない。いい準備をして臨む。
――トーレスが決めて勝利したが、彼のプレーへの評価は?(日本人記者)
チーム自体がよかった。トーレスもチームの一部だ。チャンスがあれば、トーレスはゴールできる。非常にいいチャンスがあった。もっといいパフォーマンスができたかもしれないが、チーム全体のパフォーマンスには満足している。
――ダビド・ルイスを新しいポジションで試したが、今後も使うか?
将来のオプションだ。重要なのはこの試合に勝つことだ。ダビド・ルイスはパスを出すこともできるので、この試合ではあのポジション(守備的MF)で使うことを考えていた。今後もそこで起用する可能性はある。
――決勝まで進んだが、優勝できる自信は?
難しい。決勝では何が起こるか分からない。われわれもいい試合をしたが、相手もいいチームなので、どうなるか分からない。それでも(相手が)どんなチームであっても勝たなければならない。コリンチャンスはいいチームだが、準備はできている。とにかくベストを尽くす。
――チェルシーの監督に就任して日が浅いが、このクラブW杯に勝つということは、どういう意味があるか?
勝つことの意味というより、決勝に進んだ意味について話したい。優勝することの意味については、それが達成されたときに聞いてほしい。今は決勝に進んだことを喜びたい。もちろん(決勝に)勝ったら、さらにうれしい。
――若いアザールがいい動きをしていたが、彼がチームに与える影響についてどう考えるか(日本人記者)
非常にいい選手だ。彼はゲームで違いを作れるし、非常に努力しており、ディフェンス面でもメンタル面でも良くなっている。チーム全体をサポートしているという意味でも満足している。非常にいい才能とポテンシャルがあるので、これからもさらに良くなると思う。
――トーレスがここ3試合で5ゴールを決めたが、どういう意味を持つか?
チームメートのおかげで彼は良くなっている。自信がついてチームも好調で、それだけチャンスが作れている。同じレベルでチームがプレーできれば、トーレスも得点し続けるだろう。今までと何かが違うわけではない。彼の動きを分析したり、体調やフィットネスを確認しているが、今までと特に違いがあるわけではない。自信を付けることが大事だ。そして、得点できるチャンスに飛び込んでいける。いずれにせよ、チームがチャンスを作っているから、彼は得点できている。
「チームはサッカーを楽しむことができている」
わたしが就任した頃には(チーム状態は)難しかった。新しい監督が来て、6日のうちに試合をこなさないといけない状況だった。今は何をすべきか分かるようになってきたし、サッカーを楽しむことができるようになっている。この状態が続けばいいし、今後さらに良くなるようにしていかないといけない。ゴールが決まるのはうれしいことだが、次は決勝ということなので、さらに改善していい結果を出したい。
――(今日の結果は)改善の兆候なのか? 2週間くらい前はああいうゴールが決められるような状態ではなかったが
勝者のメンタリティーと言うべきか、小さいことが大きな違いを生む。チームは勝つことを考えないといけない。自分たちのスタイルで勝つことを考えないといけない。負けないという気持ちが、誰にとっても大事だ。最後の最後まで、90分集中し続けることが大事だ。
――今日はモンテレイの研究をよくしているという印象だった。特にデニグリスにほとんどポストプレーをさせずに抑えていたが、どういう対策を立てたのか(河治良幸/フリーランス)
デニグリスがキープレーヤーであることは分かっていた。彼らはラインの間をパス回しできるチームだが、前に行くためにはデニグリスのポストプレーが必要だった。だからダビド・ルイスやミケルを使って中央を強化した。そのため(相手の)パスを80分までは止めることができた。
――ダビド・ルイスを中央を置いた意味をもう少し詳しく(後藤健生/フリーランス)
ダビドはセンタ―バックでプレーしていた頃からよく知っている。いいプレーをすることは知っていたが、ラインの間でプレーする選手がたくさんいたので、短いパスをつながれた場合、ダビドをそこのポジションに置いたほうが素早く対応できると考えた。また彼は、自分でもボールを動かせる選手でもある。
――コリンチャンスのサポーターが大勢で来ていることについて(ブラジル人記者)
ブラジルのチームは、クラブW杯では大勢でやってくるが、チェルシーのファンも有難いことに1000人くらい来てくれている。それだけのサポーターが来ていることは、とてもうれしいことだ。試合に集中することができるし、ファンのためにもタイトルを獲得したい。
――2005年にもリバプールを率いた際は、決勝でゲームを支配したにもかかわらずサンパウロに敗れてしまった。どんな教訓があったか?
あの試合では、3つのシュートがバーをたたき、認めらえるべきゴールが認められなかったという残念なことがあった。今日の試合は前半にコントロールできていても、後半にスコアしないといけなかった。チャンスは生かさないといけない。そしてゴールすることで、試合を決めなければならない。それが教訓だ。
<了>
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