ジェンティル最強だ!「今後は海外に出ていく」=ジャパンカップ
ジェンティルドンナ(右)がジャパンカップ優勝、オルフェーヴルとの猛烈な叩き合いを制した 【写真:中原義史】
ジェンティルドンナは今回の勝利でJRA通算9戦7勝、GI勝利は今年の桜花賞、オークス、秋華賞に続き4勝目。騎乗した岩田は2007年アドマイヤムーン、昨年のブエナビスタに続きJC3勝目となったが、最後の直線コースで外側に斜行した進路の取り方が強引なものであったため、2012年12月1日から12月2日まで騎乗停止となった。また、同馬を管理する石坂正調教師はJC初勝利。
なお、2着オルフェーヴルから2馬身半差の3着にはC・ウィリアムズ騎乗の2番人気ルーラーシップ(牡5=栗東・角居厩舎)。O・ペリエが騎乗した今年の凱旋門賞馬ソレミア(牝4=仏・ラフォンパリアス厩舎)は13着と大敗した。
オルフェを“無視”「この馬のベストパフォーマンスをしよう」
オルフェーヴルの存在にとらわれず「この馬の競馬をしよう」と心掛けた 【写真:中原義史】
「三冠を勝った馬ですが、本当の走りをまだ感じていませんでした。伸び伸び走って、この馬のすべてを出し切ることができれば、このレースを勝てる自信があった」
岩田が語った。つまり、このジャパンカップでジェンティルドンナは初めて全能力を出し切ったということだろう。レースもまさにジョッキーの言葉通りの、自信に満ち溢れた正攻法の競馬だった。
道中は好位の3番手。「馬場状態が良くて、特にインが良かった。枠順は最悪なところでしたけど、馬がよく仕上がっていましたし、53キロと好スタートを生かして、最高の位置取りになりました」。
ライバルは当然、現役世界最強クラスのオルフェーヴル。しかし、岩田はこの“怪物”を意識してマークするのではなく、まったく別の考えでレースに臨んだという。
「実際のところオルフェーヴルと戦うことに当たって、とにかくジェンティルドンナ自身のレースをしようと考えました。オルフェーヴルを抜きにしたレース、この馬のベストパフォーマンスをしようと考えたんです」
岩田は騎乗停止「ジェンティルドンナを褒めてあげてください」
最後の直線の斜行で後味の悪さは残ったが、岩田は「ジェンティルドンナを褒めてください」 【写真:中原義史】
「オルフェーヴルと接触して、いやらしいレースになってしまいました。自分自身がちゃんとエスコートしてこその勝利だと思うんですが、後味の悪いレースになってしまい、本当に申し訳ないです」
この進路の取り方が強引過ぎたとして、岩田は12月1日から2日まで騎乗停止処分に。この件に関してまず反省の言葉を挙げたが、自分の騎乗がもとで最強牝馬の評価まで下げてはいけないと、こうも付け加えた。
「オルフェーヴルに勝って、3歳牝馬がジャパンカップを勝ったということ、ジェンティルドンナを褒めてあげてください」