ベッテルの3連覇か、アロンソの逆転優勝か=F1 第20戦ブラジルGP見どころ
タイトル獲得の条件
最終戦でタイトルを争うベッテル(右)とアロンソ。最後に笑うのはどちらか 【Getty Images】
王座獲得の可能性を残しているのは、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の2人だ。現在ベッテルとアロンソのポイント差は13ポイントになっている。
レース優勝で獲得できるのは25ポイント。もしブラジルGP後に同ポイントで並んだ場合には、優勝回数の多いドライバーがチャンピオンになる。今季これまでにベッテルが5勝しているのに対し、アロンソは3勝しか挙げていない。つまり、両者が同ポイントで並んだ場合にはベッテルが史上最年少での3連覇を達成することになる。
もう少し詳しくチャンピオン確定の条件を見てみよう。同ポイントで並んでもベッテルがチャンピオンになるため、もしベッテルが4位以上に入り、12ポイントを獲得した場合には、アロンソの順位に関係なくベッテルのタイトル獲得が決まる。ベッテルが5位から7位に入った場合、アロンソが優勝しなければベッテルが王者に。ベッテルが8位か9位の場合、アロンソが3位以下ならベッテルの王座確定。また、ベッテルが10位以下の場合には、アロンソが4位以下になればベッテルがチャンピオンになる。
一方、アロンソがタイトルを獲得するには表彰台が条件になる。アロンソが優勝した場合、ベッテルが5位以下になればタイトルはアロンソのものに。アロンソが2位の場合、ベッテルが8位以下ならアロンソが王者。アロンソが3位の場合、ベッテルが10位以下でアロンソが最終戦での逆転タイトル獲得を実現する。
反時計回りのサーキット
曲がりくねった区間に合わせたクルマにすると、直線区間でのスピードが伸びにくく、ライバルに抜かれる可能性が高まる。その一方で、直線区間に特化したクルマにしてしまうと、曲がりくねった区間で大きくタイムを落としてしまうことから、うまい妥協点を見いだすことが重要になる。
また、このコースは通常のサーキットとは逆の反時計回りであることから、ドライバーの体にはいつものレースとは逆の方向に負荷がかかる。そして、コース全長がわずか4.309キロと、F1サーキットとしては短いながらもコーナーの数が多いため、ドライバーにとっては体力的に負担の大きなコースだ。
タイヤサプライヤーのピレリが持ち込むのは、4種類あるコンパウンドのうち、最も硬い組み合わせであるハードとミディアム。ハードはタイヤ側面のロゴなどが銀、ミディアムは白でロゴなどが書かれる。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、持ち込まれる両方のドライタイヤを使わなければならない。
雨が波乱を呼ぶ可能性も
レース中に雨が降り始めた場合、1周でも雨用タイヤへの交換が遅れると取り返しがつかないほどタイムを落としてしまうため、天候を読みながらタイヤ交換のタイミングを決める必要がある。タイヤサプライヤーのピレリが供給する雨用タイヤは2種類。路面の水量が少ない時用のインターミディエイトはタイヤ側面のロゴが緑、水量が多い時用のウエットはロゴが青になっている。現時点での天気予報では、決勝日の日曜に雨の予報が出ている。
ラストレースを迎えるドライバー
今年のブラジルGPは、数名のドライバーにとって、さまざまな形での「ラストレース」になることが決まっている。まず、ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)はこのレース限りでの引退を表明。ルイス・ハミルトン(マクラーレン)は、来季メルセデスAMGへ移籍するため、幼いころからともに歩んできたマクラーレンでのラストレースになる。そして、セルジオ・ペレス(ザウバー)はマクラーレンへ移籍することから、F1デビューを飾ったザウバーでのラストレースだ。
ついに今季F1王者が決まるブラジルGPは、23日(金)現地時間10時(日本時間21時)に開幕。決勝は、25日(日)現地時間14時(日本時間25時)にスタートする。
<了>
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