ミミ萩原と『ロッキー』のあの人も登場する伝説の女子プロ映画
女子プロレスと(刑事)コロンボとロードムービーが一つになった奇跡の映画、『カリフォルニア・ドールズ』を紹介 【…All the Marbles (c) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved】
物語の主人公はピーター・フォーク(「刑事コロンボ」)演じるマネージャーと、彼とともに全米をツアーして回る女子プロレスのタッグチーム「カリフォルニア・ドールズ」。
“ツアー”といえば聞こえはいいが、実際はおんぼろキャデラックに便乗し、安モーテルに寝泊まりしてのドサ回り。映画はショウビジネスの華やかさ、厳しさとを同時に見せながら進む。
物語序盤には、ミミ萩原とジャンボ堀扮する日本人レスラーとドールズが対戦する場面も登場。ここで日本勢はドールズを苦しめ、後にドールズが決め技とするローリング・クラッチ・ホールドのインスピレーションを与える重要な役割を演じている。ジャッキー・チェンの「拳シリーズ」しかり、主人公の成長に強者との対戦は欠かせない。
『ロッキー』のように、自らの存在証明の戦いへ挑んでいく
『ロッキー』シリーズのポーリーでおなじみ、バート・ヤング(左)も好演 【…All the Marbles (c) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved】
そんな本家ポーリーを前に、P・フォークはハッタリ&デタラメたっぷりな“ポーリー的人物”というべき、マネージャーのハリーを演じている。ハリーは時に壊れた車をドールズに押させ、泥レスマッチを勝手にブッキングしたりと、3人の旅は珍道中。喧嘩が絶えない。
時に壊れた車をドールズに押させたりと、3人の旅は珍道中 【…All the Marbles (c) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved】
だが、そんな彼女たちの旅は、やがてネバダ州リノでのビッグマッチ=タッグ選手権へと辿り着く。人生を懸けた大勝負。ここでドールズはベルトを獲ること以上に、チャンピオンと最後まで戦い抜くことで自分がただのチンピラではないことを証明しようとした『ロッキー』のように、自らの存在証明の戦いへ挑んでいく。