優勝争いはベッテル有利か、アロンソの巻き返しは?=F1第17戦インドGP見どころ

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延長されたDRSゾーン

ほこりっぽく、滑りやすいといわれる路面状況に合わせたセッティングが必要となる 【Getty Images】

 シンガポール、日本、韓国とアジアでのレースを重ねてきたF1世界選手権。今週末に行われる第17戦インドGPで、シーズン終盤のアジアラウンドが終了する。

 インドGPの舞台となるのは、昨年の初開催に合わせて建設されたブッダ・インターナショナル・サーキットだ。昨年は、サーキットの建設工事が遅れたことや、地元農家による抗議、さらには税金の問題などがあったため、レースを開催できないのではないかという報道もあったが、無事に初開催を迎えられた。

 コースの前半は、2本のストレートを含む高速区間。その後、第2セクターはコーナーが多く、トルコの名物コーナー“ターン8”を逆周りにしたような高速コーナーもある。そして第3セクターには、低速コーナーから高速コーナーまでそろっている。

 開催前には、コース上での追い抜きが多くなるレイアウトだと期待されていたものの、路面が滑りやすいことなどから期待されていたほど追い抜きはなかった。そのため、今年は決勝中にDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を使用できるDRSゾーンが延長になる。

 昨年同様に、ホームストレートと3コーナーから4コーナーにかけてのストレートにDRSゾーンが設定されるが、後者のDRSゾーンが80メートル延長される予定だ。また、前車との間隔を計測する地点も2カ所設定され、ここで前車から1秒以内にいた場合のみ、DRSゾーンでDRSを使用できることになる。

 昨年のインドGPでは、路面がほこりっぽく、滑りやすいことも話題となった。今年も状況は同じだと見られるが、決勝に向け走行を重ねるにつれて、路面状況が改善していくと予想される。そのため、金曜のフリー走行時点ではなく、予選や決勝での路面状況を予想しながらセッティングしていく必要がある。

 タイヤサプライヤーのピレリが持ち込むタイヤは、4種類のうち最も硬いハードとそれより2段階軟らかいソフトだ。ハードはタイヤ側面のロゴなどが銀で書かれ、ソフトは黄色でロゴなどが書かれる。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、2種類のタイヤ両方を使わなければならない。

 1周の平均速度は比較的高いものになっており、コーナーの多い第2セクターや第3セクターを速く駆け抜けるためのダウンフォースと、ストレートでの最高速を両立させる、バランスの取れたセッティングが必要になる。

優勝争いの行方は?

優勝争いで優位に立つベッテル。このまま後続を引き離せるか 【Getty Images】

 第14戦のシンガポールGPから3連勝を記録し、ランキング首位に立ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今回も優勝争いの中心になるだろう。ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーにも同様に大きなチャンスがある。これに対し、ランキング2位に後退したフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がどこまで戦えるのかが注目される。

 シーズン終盤にきてレッドブルが速さを増してきたことから、純粋な速さだけではベッテルがタイトル争いで有利だとみられる。しかし、まだ6ポイント差しかないため、もしどちらかがリタイヤや下位でレースを終えた場合、1レースで順位が入れ替わる可能性も残されている。

 一方、前戦の韓国GPでは、苦しい戦いになったザウバー勢。しかし、小林可夢偉もチームメートのセルジオ・ペレスも、インドでは韓国よりも速さを見せられるはずだと自信を見せている。可夢偉としても、来年の契約を決めるため、少しでもいい成績を残しておきたい。

 また、ザウバーは現在メルセデスAMGとチームランキング5位を争っている。現在のポイント差は20ポイント。メルセデスAMGを抜いてランキング5位に浮上するため、ザウバー勢としては1ポイントでも多く獲得したいところだ。

 2012年F1第17戦インドGPは、26日(金)現地時間10時(日本時間13時30分)に開幕。決勝は、28日(日)現地時間15時(日本時間18時30分)にスタートする。

<了>
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