2戦連続の表彰台獲得目指す可夢偉=F1第16戦韓国GP見どころ

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鍵はタイヤの使い方

インフラ面の整備が遅れるなどネガティブな話題も多いが、コース自体はドライバーの評価も高い 【写真:ピレリ】

 10月7日に行われたF1世界選手権第15戦日本GPは、小林可夢偉(ザウバー)が日本人では8年ぶりとなる表彰台を獲得して、ファンを熱狂させた。多くのF1ファンがその余韻に浸るなか、F1は休むことなく韓国へと移動し、第16戦韓国GPを戦う。

 韓国GPが行われるのは、2010年の初開催に合わせて建設された韓国インターナショナル・サーキット。初開催の際は、サーキットの建設工事が間に合わず、一部の施設が未完成のまま、F1開催を迎えたことが大きな話題になった。工事の遅れにともない、初開催時にはネガティブなニュースが多かった韓国GPだが、コース自体はドライバーから高く評価されている。低速から高速まで、さまざまな速度域のコーナーがあり、攻略の難しい区間もある。コース序盤はホームストレートとバックストレートを含めた高速区間、コース中盤から終盤はコーナーの連続する区間になっている。

 韓国GPでは、タイヤの使い方が鍵を握ることになりそうだ。韓国のコースは、路面のグリップが低く、低速コーナーも多いことから、ピレリは最も軟らかい組み合わせであるスーパーソフトとソフトのドライタイヤを持ち込む。しかし、路面グリップの低さから、グレイニングと呼ばれる異常摩耗が発生しやすい傾向にある。グレイニングが生じた場合はラップタイムが落ちやすく、対応が必要だ。

 普段はあまり使用されることがないコースのため、決勝に向けて走行を重ねるごとに、路面のグリップが向上していく。こういった路面状況の変化にもうまく対応する必要がある。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴが赤、ソフトはロゴが黄色になり、決勝では雨用タイヤを使用しない限り、2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

可夢偉は自信のコメント

2戦連続の表彰台を目指す可夢偉。好成績でチーム残留を確実なものにしたい 【写真:ザウバー】

 シンガポールGP、日本GPと2連勝を果たしているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今回も優勝争いの中心になるだろう。ベッテルに加え、チームメートのマーク・ウェバー、マクラーレン勢がベッテルと優勝を争うことになりそうだ。また、新パーツを投入予定のロータス勢からも目が離せない。

 そして、正念場のレースとなりそうなのがランキング首位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)。直近4レースで2回リタイアしたこともあり、ランキング2位のベッテルとの差が4ポイントにまで縮まってしまった。タイトル獲得に向けて、流れを引き戻したい。

 また、日本GPで自身初の表彰台獲得を果たした可夢偉にも注目が集まる。昨年までのザウバーは、低速コーナーを苦手にしていたが、今年は改善されている。可夢偉自身も、「今ある流れで勢いに乗ることができると思います。だから、今回はポイントを獲得できる自信があります」とコメントした。

 可夢偉とザウバーの契約は今年まで。表彰台獲得で残留の可能性が高まったとも言われるが、それをより確実なものにするためにも、好成績を残しておきたいところだ。また、チームランキングで現在6位のザウバーは、5位のメルセデスAMGと20ポイント差となっている。ランキングを上げるため、1ポイントでも多く獲得することが可夢偉とザウバーの目標になる。

 F1第16戦韓国GPは、12日(金)日本時間10時に開幕。決勝は、14日(日)日本時間15時にスタートする。

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