虎、火薬、毒蛇、竜巻、閃光…〜ボクサーのニックネームII〜

WOWOW

多いケースは韻を踏んでいるもの

“フィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光)”ノニト・ドネア、その名前の由来は? 【(C)NAOKI FUKUDA】

 ボクサーのニックネームで最も多いと思われるのが、選手の売り出しに際して自陣で考えたものである。動物系、架空動物、身分、形容詞系、地名系などに大きく分けられるが、韻を踏んでいるものが多い。

 たとえば、名前がトニー(アントニオ)ならば「TIGER(虎)」、「TNT(火薬)」などが典型例だ。トニー・タイガー・ロペス(アメリカ)、トニー・TNT・タッカー(アメリカ)、トニー・TNT・タッブス(アメリカ)といった世界チャンピオンを記憶している人も多いはずだ。
 同じくビクター(ビクトル)、ビビアンなど名前に“V”の音が入る選手の場合は、「VICIOUS(ビシャス=凶暴なヤツ)」が多く用いられるようだ。ビクター・オルティス(アメリカ)やビビアン・ハリス(ガイアナ)らが典型的な例といえる。バーノン・フォレスト(アメリカ)のように「VIPER(毒蛇)」とつけた選手もいる。
「PUNISHER(パニッシャー=打ちまくる男)」とつけたポール・ウィリアムス(アメリカ)の場合も韻を踏んだ異名といえる。「ZORITA(ソリータ=狐)」を用いたウンベルト・ソト(メキシコ)も同類といえよう。

ドネアのニックネームはアニメから拝借

 出身地やホームタウンを取り入れたニックネームも数多い。古くはジャック・デンプシー(アメリカ)の「マナッサの殺戮者」やジャック・ジョンソン(アメリカ)の「ガルベストンの巨人」といった異称が知られている。ラリー・ホームズ(アメリカ)の「イーストンの暗殺者」も有名だ。最近ではアントニオ・マルガリート(メキシコ)の「ティファナ・トルネード(竜巻)」や現役の4階級制覇チャンピオン、ノニト・ドネア(フィリピン)の「フィリピーノ・フラッシュ(閃光)」あたりが高い認知度を誇っている。ちなみにドネアによれば、このニックネームはアニメの登場人物から拝借したとのことで、自分でもお気に入りなのだとか。このほかミッケル・ケスラー(デンマーク)の「VIKING WARRIOR(バイキング・ウォリアー)」も定着している。

 容姿や体型を言い表したものもある。世界的に多く使われる代表例が「ベビーフェイス・アサシン(童顔の暗殺者)」で、3階級制覇のマルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)が代表選手といえる。
 小柄だったウンベルト・ゴンサレス(メキシコ)の「チキータ(少年、小さな男)」や、ホエル・カサマヨル(キューバ)らスペイン語圏の痩身選手にみられる「セピージョ(ブラシ、刷毛)」なども体型を表した異称といえるだろう。

「タイソン」を名乗る選手も少なくない

 元世界ヘビー級王者マイク・タイソン(アメリカ)にあやかり「タイソン」を名乗る選手も少なくない。現役ではWBA世界フライ級チャンピオンのエルナン・タイソン・マルケス(メキシコ)、「トルコのタイソン」と呼ばれるウェルター級のセルチュク・アイディン(トルコ)らが知られている。
 由来は確かではないが、WBCのミドル級ダイヤモンド・チャンピオン、セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン)は、同じ階級の偉大な元王者マーベラス・マービン・ハグラー(アメリカ)と同じ「マラビジャ(驚異の男)」を名乗っている。

 まだまだ面白いボクサーのニックネームは数多くある。

<つづく>

Written by ボクシングライター原功
↓↓↓最新情報はこちらから↓↓↓
■エキサイトマッチ〜世界プロボクシング特設サイト
http://www.wowow.co.jp/sports/excite/


◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆

★エキサイトマッチ〜世界プロボクシング
亀海、リナレスの世界挑戦を見据えたアメリカ遠征試合

<ウェルター級10回戦>
亀海喜寛(帝拳)/WBC世界S・ライト級7位 vs
ホルヘ・シルバ(メキシコ)/メキシコ・ウェルター級

<ライト級10回戦>
ホルヘ・リナレス(帝拳)/元2階級制覇チャンピオン、WBC世界ライト級4位
エクトール・ベラスケス(メキシコ)/元WBC米大陸S・フェザー級チャンピオン

10月8日(月・祝)よる9:00〜[WOWOWライブ]
10月13日(土)午前7:00〜[WOWOWプライム]※リピート放送


★生中継!エキサイトマッチスペシャル 頂上決戦!西岡利晃vsノニト・ドネア
日本人最強ボクサー西岡利晃。輝かしいキャリアの“クライマックス”として、ノニト・ドネアとのS・バンタム級頂上決戦がいよいよ実現する!

<WBC・IBF・WBO世界S・バンダム級王座統一戦>
西岡利晃(帝拳)
ノニト・ドネア(フィリピン)

10月14日(日)午前11:00〜[WOWOWプライム]※生中継


★ノンフィクションW チャンピオン西岡利晃 未踏の世界へ! 〜密着・運命の最終章〜
苦難の道を経て世界王者となった、日本人ボクサー史上最強の男・西岡利晃。キャリアのクライマックスとなる運命の一戦ノニト・ドネア戦に完全密着する!

10月26日(金)夜10:00〜[WOWOWプライム]
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント