日本競馬の悲願へオルフェーヴル、鍵はパドックでの平常心=合田直弘の凱旋門賞展望

JRA-VAN

前哨戦フォア賞快勝後も順調に調整

日本競馬界悲願の凱旋門賞制覇へ、オルフェーヴル好走の鍵は「平常心」 【写真は共同】

 欧州競馬の総本山である芝2400m路線の、シーズン掉尾を飾る総決算となる凱旋門賞(10月7日、フランス・ロンシャン競馬場)は、確固たる権威を帯びているだけでなく賞金も高額で、まさに名実ともに欧州の最高峰に位置するレースである。

 そこに、日本調教馬オルフェーヴル(牡4)が、有力馬の1頭として参戦する。早めに渡仏し使われた、古馬のための前哨戦GIIフォワ賞を快勝した同馬。その後も順調に調整が進んでいると伝えられている。気性的に難しいところのある馬で、独特の雰囲気に包まれるパドックでイレ込むことが気掛かりだが、前哨戦同様に帯同馬アヴェンティーノ(牡8)の介添えよろしく、平常心を保ったままスタート地点まで到着することができれば、日本の競馬関係者にとって悲願となっている凱旋門賞制覇が、現実のものとなりそうだ。

最大の敵は英国3歳二冠馬キャメロット、鞍上はデットーリ

 最大の敵は、今年の英国3歳二冠馬キャメロット(牡3)になろう。前走GIセントレジャーで2着となって、42年振りの三冠を逃すとともに、デビュー以来継続していた連勝が「5」で止まった同馬だが、スローペースにもかかわらず位置取りが後ろ過ぎ、仕掛けも遅れたのが敗因で、力負けではなかったことははっきりしている。今季の欧州2400m路線で屈指の実力を持つこの馬が、3歳馬ゆえにオルフェーヴルより3.5キロ軽い斤量で出走し、なおかつ、鞍上に起用されるのが欧州随一の腕利きL.デットーリというのは、なんとも不気味だ。この馬の類稀れな瞬発力をいかに封じるかが、オルフェーヴル優勝への大きな鍵となりそうだ。

 さらにもう1頭、マークが必要なのが昨年の凱旋門賞2着馬シャレータ(牝4)だ。牝馬相手ながら、目下この路線のGI連勝中と好調で、自分で競馬を作れる先行力があるのも魅力の1頭だ。

 10月7日が、日本の競馬を愛する全ての人たちにとって歓喜の日となることを祈りつつ、その瞬間を待ちたいと思う

(文・合田直弘/提供・JRA−VAN)
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